今年のSonyのフラッグシップ機、Xperia XZ1とXZ1 コンパクトが発表されたのでその第一印象とでもまいりましょう。
XZ1
XZ1 コンパクト
ソニーモバイルグローバルよりスクリーンショット(上記及びアイキャッチ画像): https://www.sonymobile.com/global-en/products/phones/xperia-xz1/
https://www.sonymobile.com/global-en/products/phones/xperia-xz1/design/
https://www.sonymobile.com/global-en/products/phones/xperia-xz1-compact/
単刀直入な感想
ソニーらしい角張ったデザイン。ひと目でソニーとわかるデザイン。。。良い意味でも悪い意味でも。2017年のフラッグシップ機としてパフォーマンス面ではスナップドラゴン835に4GBのRAMを搭載と処理能力では何の心配もいらない。特にXZ1コンパクトも同じ仕様ということで、コンパクトもついにフラッグシップ機と同じ能力をもつことになりコンパクト・ユーザーには嬉しいニュース。
カメラの性能は光学式手ぶれ補正(OIS)がない点以外は悪くはない、ただ最高クラスとまでは言い難い。OSは最新のアンドロイド8.0オレオにアップデートされているのは素晴らしい点。でも残念な部分が明白に存在するのが、悲しいかな、それが今のソニー。色々と第一印象ではありますが見てまいりましょう。
主なスペック表
画面サイズ | XZ1 : 5.2インチ LCD IPS (1920×1080) フルHD 424ppi
XZ1 コンパクト: 4.6インチ LCD IPS (1280×720) HD 319ppi |
SoC | 共に: Snapdragon835 |
RAM(メモリ) | 共に: 4 GB |
容量 | XZ1: 64 GB 外付けmicro SD可 (256GBまで)
XZ1 コンパクト: 32 GB 外付けmicro SD可 (256GBまで) |
カメラ | 背面: 1900万画素 F2.0 電子式手ぶれ補正(EIS)
インカメラ: XZ1 1300万画素 F2.0 XZ1 コンパクト 800万画素 |
バッテリー | 共に: 2700 mAh |
参照元: https://www.sonymobile.com/global-en/products/phones/xperia-xz1/specifications/
https://www.sonymobile.com/global-en/products/phones/xperia-xz1-compact/specifications/
良い点
最新アンドロイド8.0 オレオ
今やアンドロイドOSのアップデートが早いのはソニーの十八番というべきか。かつて、OSがなかなかアップデートされなかったのも今は昔。これは、素晴らしいの一言。アンドロイド自体はもうすでにほぼ完成形に近いので、ヌガーの7.1.1と比べて何が変わったの?と思う人も多いだろうし、実際のところマイナーなアップデートしかされていない。むしろ、大幅に変更されると逆に困る。
OSのアップデートはセキュリティ面、アプリの動作やバッテリーの持ち時間など、細かいところで重要になってくる要素。縁の下の力持ちのような存在なので、アップデートが早いのはユーザーにとっては肯定的に捉えられる点。
しかもソニーのアンドロイドOSはストック・アンドロイドに近いので、シンプルで使いやすい。無駄なアプリも非常に少なく、動作もサクサク動いてくれる。ソフトウェア面ではソニーは他のフラッグシップ機に対して模範のような存在といえる。「ソフトウェア面では。。。」
モーション・アイ (the Motion Eye) カメラ
説明の前に上の動画を見てもらえれば、わかります。1分20秒ほどなので。
秒間960フレーム超スローモーション撮影
これはXZ Premiamに初めて搭載された機能だけれど、このスローモーション撮影はソニーのスマホにしかない技術。スポーツで瞬時の動きを撮影したり、水しぶきの撮影など、使える場面はいろいろとあると思う。
ただ、難点がいくつかあり、まず0.2秒の間だけ秒間960コマという超絶なスピードでその“瞬間”を撮影するので、本当にその一瞬を捉える必要があるので練習や慣れが必要でコツを掴まないといけない。あと、相当明るい場所でないと撮影しづらい。昼間の屋外なら問題ないが、室内ならばかなりの明るさが必要とのこと。
Predictive Capture (和訳すると「予測撮影」)
動画でモデルさんが笑っているシーン。私の情報ではまだ日本語名がわからん。この機能は、写真のボタンを押す前に、自動で写真を最高で4枚撮ってくれる。これは子供の撮影をする時などは便利と思う。(動画ではキレイなモデルさんだけれど)
Capture Burst Shots (和訳できませんwww)
動画で赤ちゃんが歩いているシーン。この機能は、動体にフォーカスしながら最高で秒間10枚の写真撮影が可能。動体をフォーカスし続けるのはスマホでは難しいので、この技術はさすがソニーと感じる。子供やスポーツの撮影には役立ちそう。
XZ1 コンパクトも性能に妥協なし
今まではコンパクトの方は、性能が一段落とされていたけれど、今回からはコンパクトの方もスナップドラゴン835 & 4GB RAMということで、XZ1と同じ仕様。パフォーマンスに一切妥協はなくなったと思う。これは、コンパクトのコア・ファンには朗報と思う。
世の中にはスマホの大型化を嫌う人も少なくない。特に日本ではその傾向が強いと感じる。そういった人にとって4.6インチ・サイズのコンパクトは購入候補の一つに入るだろう。もうすでに5インチ以下のフラッグシップ・スマホなんてiPhoneシリーズかSonyのコンパクト・シリーズしかないので、小さいスマホを探している人には良い選択肢になるでしょうな。
その他、良い点
2017年のフラッグシップ機として、スナップドラゴン835、4GB RAMを搭載しているので処理能力のパフォーマンスでは他社のフラッグシップ機と同等。もちろん防水機能もある。ディスプレイもXZ1は5.2インチ・フルHD、コンパクトは4.6インチ・HDと画面サイズを考慮すればバランスの良い組み合わせ。
残念な点
少なすぎるバッテリー容量
XZ1とXZ1 コンパクトのバッテリー容量は共に2700 mAh。画面が4.6インチでHD解像度のXZ1コンパクトに関してはこの容量で問題はないと考えられる。
ただ、XZ1ではそうはいかないと思われる。XZ1は5.2インチのフルHD、なぜ3000 mAhは載せられなかったのかが疑問。スナップドラゴン835とアンドロイド8.0のお陰でバッテリーは“意外”にもつとは予想できるけれど、それでも2700 mAhは頂けない。
特に、XZ1の本体サイズは小さい訳ではなく、むしろベゼルレス・デザインを採用していないので、無駄にデカい。デカいにも関わらず、なぜより大きいサイズのバッテリーがそこに入らないのかが疑問でならない。
極太ベゼル
2017年はベゼルレス・デザイン元年と常々言っているけれど、残念ながらソニーには無関係なのだそう。極太の分、フロント・スピーカーを採用して動画鑑賞しやすいけれど、それよりもまずベゼルレス・デザインだろっと個人的に思う。私はあまりデザインにうるさい人間ではないけれど、個人的にはそろそろデザインの“フルモデルチェンジ”があった方が良いのではと感じる。
ソニーは液晶パネルを製造している訳ではないものの、今までさんざんテレビを製造してきているのにも関わらず、このベゼルレスの潮流に乗れていない。これは正直、大失態と思う。これでは、またもやスマホで先をいくサムスン、LG、アップルに追いつけないし、むしろまた差をつけらてしまった。
有機ELパネル(OLED)の不採用
ベゼルレス・デザインを採用しなかったのならば、せめてOLEDは採用してほしかった。OLEDはLCDパネルよりもハイコントラストで発色が良く、視野角も広く、今後LCDはOLEDへ移行していくと考えられる。その第一弾をなぜ2017年にもってこなかったのか。これでは他社の後塵をまたも拝する結果になると考えなかったのか。
良いか悪いか、現段階では判断できない技術
XZ1とコンパクトは3Dスキャンが可能になった。3Dクリエイターという機能で、動画を見てもらえればわかるけれど、人物にかぎらず、モノをスキャンすることもできるそう。スキャンした情報でアバターを作ったり3Dプリンターで再現することもできるそう。
ただ、私はこの機能を使うことはないと思う。もしかすると使う人も中にはいるのかもしれないので、これは様子をみましょう。来年以降、他社も同じことをしていればソニーは正解ということに。
まとめ
ソニーのもっている技術は悪くない。特にカメラ機能ではソニーでしかできない撮影方法も多く、モーション・アイ機能は素晴らしいと思う。秒間960フレームの超スローモーション撮影や、予測撮影、フォーカス追従撮影もよくできている。処理能力も「スナップドラゴン835 + 4GB RAM」XZ1だけでなく、XZ1コンパクトの性能もパワーアップしているし、悪くはない。
ただ、残念ながら、欠点に問題がある。そしてその欠点が大きい。ベゼルが太いデザインは2017年後半に販売するフラッグシップ機としては残念なデザイン、時代遅れを感じると言わざるをえないし、XZ1の5.2インチに対して小さすぎるバッテリー容量(2700 mAh)も、本体サイズの割に小さい。
これでは、群雄割拠ひしめくスマホ・マーケットで勝ち抜くのは厳しいと言わざるを得ない。