突然、衝撃的なスマホが登場した。その名は「Pocophone F1 (ポコフォン)」。日本人からするとちょっとへんぴな名前ではあるけれど逆に覚えやすいかもしれない。
このPocophone F1 (以後: Poco F1)は中国第四位のスマホ・メーカーXiaomi (シャオミー 漢字表記:小米)がインド市場向けに開発した「超がつくほどのコスパ最高スマホ」。
処理能力は現アンドロイド・スマホで最高峰のスペックでありながら、なんと価格は「約3.3万円 (2万999 インド・ルピー)」と信じられないくらいの安さといえる。どれくらいコスパが凄まじいのかを手っ取り早くお知りになりたい方は目次より「価格」のところへ飛んで頂ければと思います。
レビューはこちら↓
アイキャッチ画像、記事内画像はXiaomi India公式サイトよりスクリーンキャプチャ:https://www.mi.com/in/poco-f1/
主なスペック
チップ | スナップドラゴン845 |
RAM | 6 / 8 GB |
容量 | 64 / 128 / 256 GB (micro SD可) |
画面 | IPS LCD 6.18インチ 解像度: フルHD+ 2246 x 1080 (403ppi) 18.7:9 (アスペクト比) 82.2% (スクリーン対ボディ比) |
カメラ | 背面: メイン 1200万画素 F1.9 電子式手ぶれ補正(EIS) サブ 500万画素 F2.0動画: 4K 30FPS 1080P 30FPS + EIS 1080P 240FPS インカメラ:2000万画素 F2.0 |
バッテリー | 4000 mAh |
OS | オレオ8.1 |
その他 | イヤホン・ジャック micro SD対応 |
価格 | 公式価格 インド・ルピー RAM6GB/ 64GB → 20999ルピー (¥3.3万) RAM6GB/128GB → 23999ルピー (¥3.8万) RAM8GB/256GB → 28999ルピー (¥4.6万) |
処理能力
スナップドラゴン845 & 6〜8GB RAM
2018年最高クラスの処理能力といえる、しかもそれを3.3万円で発売するのだから製造コストを差し引いてもどうやってこの価格を実現しているのか全くわからない。(ちなみに、この3.3万円という言葉は今後何度も出てきます。)
RAM 6GB/ 64GB
RAM 6GB/128GB
RAM 8GB/256GB
モデルは3つあり、処理能力で考えると、6GB RAMと8GB RAMとで分かれるけれど、一番下のクラスの 6GB / 64GBモデルで十分な処理能力だと言える。
ちなみに「スナップドラゴン845 + 6GB RAM」という構成は現時点でアンドロイド・スマホとしては最高峰の処理能力で、これと同じ構成のフラッグシップはたくさんある。例は以下のとおり:
- ギャラクシーS9+
- ギャラクシー Note 9
- ソニー XZ2 (香港版)
- OnePlus 6
- HTC U12+
というように3.3万円の価格で上記と同等のスペックが約束されているのである。
冷却システム:LiquidCool テクノロジー
スマホで3Dゲームをラグなく長時間楽しみたいゲーマーでも軽快に操作ができるように冷却システムを導入している。このシステムがどこまで効果的に働くかはわからないけれど、シャオミーは自信を持ってこのシステムをアピールしている。
バッテリー
大容量4000mAhバッテリー
正直、この点にはかなり驚いた。3.3万円で「スナップドラゴン 845 + 6GB RAM」というだけでも十分すぎるインパクトがあるのに、バッテリーでも4000mAhという容量はスマホとしては最高クラスのバッテリー容量といえる。
ちなみに私がすぐに思い浮かぶ、4000mAhもの容量を積んでいるスマホは「ファーウェイ P20 Pro と サムスン Note 9」くらい。それくらい4000mAhものバッテリーを積んだスマホはレアといえ、P20 ProもNote 9も発表時の価格は約10万円クラスである。
そんな容量をたった3.3万円でなぜ実現できているのだろうか・・・
急速充電 (9V / 2A)
クイック・チャージ3.0に対応しており、充電スピードに不満を持つことはないだろう。4000mAhもの容量があるので、充電スピードが遅いと「イライラ」するけれど、付属の充電器でこのスピードでなら全く問題はない。この辺は地味ながらとても大事なポイントといえる。
カメラ
メイン:1200万画素 F1.9 サブ:500万画素 F2.0
メインのF値が1.9というのは2018年のスマホとしては「少し暗め」だと思う。各社のフラッグシップはだいたいF1.5〜F1.7の間に収められているので、3.3万円の価格ではカメラを一線級の性能にすることはできなかったのだろうと思う。
サブ・レンズも500万画素で被写体と背景を測るための「ボケ専用」として働くそうなので、これもサブとしてはあまり高性能なものではない。
実際に使用してみるまではわからないが、カメラにはコストが大きくかかるため性能が抑えられてしまうのは仕方がないと思う。
ディスプレイ
IPS LCD フルHD+
実際にパネルを見てみないと判断できないけれど、解像度はフルHD+なので十分といえる。LCDパネルにも品質差がもちろんあり、ソニーのXZ2もLCDパネルではあるけれど、かなり高精細なパネルといえ、そのクオリティは高い。おそらく、Poco F1にはそのようなパネルは使えないと思う。
82.2% スクリーン対ボディ比
上々の数値だといえる。もちろん、ノッチ・デザインを採用しているので、数値は高くなるけれど、それでもこの価格であれば十分な数値。
若干、下部のベゼルは太いかなと思うけれど、それは仕方がない。なぜならこのスマホは3.3万円・・・(もう聞き飽きた・・・)
スピーカー
ステレオ・デュアル・スピーカー
「底面がメイン、受話口がサブ」という具合なのだそうで、一応ステレオ・スピーカーという体(てい)をとっているけれど、iPhone XやギャラクシーS9+のように本格的にスピーカーに力を入れている訳ではない。
あまり期待はしすぎない方が良いとは思うし、低価格ではここまでは手が回らないと思う。
OS
8.1オレオ (MIUI 9)
現時点で最新のアンドロイドは9.0のパイ(Pie)ではあるが、これはまだ開始したばかりなので、8.1でもOSのアップデートとしては十分早い方だといえる。
iPhone Xのようにジェスチャーで操作することも可能であるし、従来の「◁◯口」のナビゲーション・バーを利用することも可能。
あと、シャオミーのOSは今までアンドロイド特有の「アプリ・ドロワー」がなかったのだけれど、Poco F1ではアプリ・ドロワーが追加されている。これは非常に大きい。
その他
イヤホンジャック、micro SDカード対応
この2つが使えるのは大変ありがたいと思う。イヤホンジャックがあると本当に便利だし、micro SD(〜256GB)が使えるのであれば、最安の64GBモデルでも容量に困ることはまずない。
ワイヤレス充電、防塵防水IP規格 非対応
この辺は仕方がない。3.3万円のスマホなので、あれもこれも対応することはできない。
背面指紋認証 & IR 顔認証
指紋認証は背面派の私にはとても良い位置だと思うし、IR(赤外線)顔認証ということで、暗闇でも正確に顔を認証できるそう。
思った以上に細かい点でも「必要なモノ」は揃えていると思う。正直、どうやったら3.3万円に抑えることができるんだろうか。
価格
6GB / 64GB 約3.3万円 〜
RAM6GB/ 64GB → 20999ルピー (¥3.3万)
RAM6GB/128GB → 23999ルピー (¥3.8万)
RAM8GB/256GB → 28999ルピー (¥4.6万)
上の価格はインドでの公式価格なので、グローバル版は多少は高くなるだろうと思う。すでに書いたけれど、micro SDが利用可能なので、一番最安の3.3万円のモデルで十分だと思う。
何度も書いているが、本当にこの価格は意味がわからない、尋常じゃない価格設定だと思う。以下のフラッグシップ級のスペックをみてほしい
- スナップドラゴン845
- 6〜8GB RAM
- 冷却システム
- 4000mAhバッテリー
- 急速充電
- イヤホンジャック
- micro SD
- IR顔認証
とこれだけハイスペックで、十分便利な機能を付け合わせて3.3万円とは、どうすればこんな価格で利益が出るのだろうかと疑うレベル。
もちろん、カメラ性能やディスプレイ、IP規格非対応、ワイヤレス充電不可と低価格による「しわ寄せ」が来るのは当然ではあるが、それでも「コスパが良すぎる」としか表現できない。
個人輸入
Poco F1はシャオミーがインド市場をターゲットにしたスマホなので、日本では公式販売されない。
購入には個人輸入することになるけれど、今の所、私がいつも紹介している「エクスパンシス」や「イートレン」では予約はできない模様。
「GeekBuying」や「Sunsky」という中国の通販サイトで扱っているそう。私はこちらのサイトで買い物はしたことがないけれど、結構有名ならしい。
重要加筆 (8月31日)
「エクスパンシス」や「イートレン」でも取り扱われることを確認。
まとめ
とにかく、「コスパ凄すぎワロタ」とちょっと若い世代の表現を使いたくなるくらいのスマホ「Poco F1」。
3.3万円という超低価格でありながら、最高クラスの処理能力(スナップドラゴン845 & 6GB RAM)、4000mAhの大容量バッテリー、急速充電。処理能力とバッテリーに関してはフラッグシップの中でも最高クラス。
その他、細かい点でもイヤホンジャックとmicro SD対応、指紋認証も背面にあり、IR顔認証もありとても便利。
カメラ性能やスピーカーはどの程度のものなのかは現時点ではわからないけれど、それほどは期待しない方が良いとは思う。これは、レビューのときに詳しく検証したい。
ワイヤレス充電やIP規格に非対応なのは仕方がなく、この価格でそこまでのレベルを求める人もいないだろう。
Poco F1はインドで展開されるシャオミーのブランドであるため、日本へは個人輸入するしかなく、今の所、「イートレン」や「エクスパンシス」では取扱いの情報はない。
「GeekBuying」や「Sunsky」という中国の通販サイトで料金などを確認してもらえればと思う。
Poco F1は間違いなく2018年のスマホ市場に衝撃を与える1台になるだろうと予想している。近年のフラッグシップの「価格インフレ」に一石を投じるスマホになってほしい。