昨年(2016)10月に発売されてから、今もなお根強い人気のあるZenFone (ゼンフォーン) 3を今更ながらレビューしていきたいと思います。
公式サイトよりスクリーンショット: https://www.asus.com/jp/Phone/ZenFone-3-ZE520KL/
単刀直入な感想
格安スマホとしても有名なASUSのZenFoneシリーズ。ミッドレンジ・スマホであるZenFone 3は、このブログを書いている2017年8月5日の時点でも価格.comの人気スマホ・ランキングで3位に入るほどの好成績を収めている。スナップドラゴン625搭載で3GBのRAM、ソニー製の1600万画素のカメラ、フルHDディスプレイに指紋認証まで揃えている。2016年に発売したミッドレンジ・スマホとしてはかなり優秀なハードウェアと思う。現在、価格.comで約3万2千円という値段ではあるけれど、ライバル機であるHuawei P10 Liteは約2万8千円と、価格競争の面ではちょっと高い。ミッドレンジ・スマホも厳しい競争が強いられているのでしょうな。それでは、もうすぐZenFone 4間近で、今更感があるけれどもZenFone 3の詳細をみてまいりましょう。
主なスペック表
画面サイズ | 5.2インチ LCD IPS液晶(1920×1080)フルHD |
チップセット | Snapdragon 625 |
RAM(メモリ) | 3 GB |
容量 | 32 GB 外付けmicro SD可 (2TBまで) |
カメラ | 背面 ソニー製 1600万画素 F2.0 OIS (光学式手ぶれ補正) EIS(電子式手ぶれ補正)
インカメラ 800万画素 F2.0 |
バッテリー | 2650 mAh |
参照元: https://www.asus.com/jp/Phone/ZenFone-3-ZE520KL/specifications/
良い点
ミッドレンジの中では優秀なカメラ
ソニー製1600万画素(F2.0)のカメラを採用しているZenFone 3。ミッドレンジの中ではシャープでなかなか良い写真が撮れる。下の動画を11:22あたりからの写真比較を是非見てもらいたい。比較対象はギャラクシーS7。S7は2016年のスマホでは1、2を争う程のカメラ性能の良さを発揮しているので、もちろんS7には敵わない。ディテールを見比べると、違いの差がわかるけれど、ZenFone 3が何倍も劣っているとは感じない。個人的に写真に関しては10段階でS7を10として見るならば、ZenFone 3は6.5か7くらいの出来栄えと思う。2016年のミッドレンジ・スマホなのでここまで写真がキレイに撮れれば十分と思う。インスタなどでアップするには十分なキレイさは確保されていると思う。
3GB RAM & スナップドラゴン625 & 容量32GB
まず、スナップドラゴン625の性能が良い。ミッドレンジ用のチップセットだからといって侮ってはいけない。625は3年前のフラッグシップ機に載せられていたスナップドラゴン801よりも同等又はマルチコアではそれ以上のパフォーマンスを発揮する。ちなみに801はソニー Xperia Z3やギャラクシーS5に載せらていたチップセットである。さらにRAMも3GBと、これまたZ3と同じ。つまり、ZenFone 3の性能は3年前のフラッグシップ機並又はそれ以上は約束されている。ライト・ユーザーなら困ることのない性能でしょう。このスペックで物足りない人はケチらず、フラッグシップ機を購入することを強くおすすめする。
もう一つ重要な点として、容量が32GB + micro SD が可能なこと。まず2016年のミッドレンジでは32GBがあるスマホは少ない、その中で32GB積んでくるあたりはさすがASUS。32GBあれば大抵のアプリはインストールできるし、足りなければ、写真等のメディア関連はSDへ移動も可能と「32GB + SD対応」 は細かいながらもとても重要。
RAM3GB、スナップドラゴン625、容量32Gbを詰め込んでくるあたり、さすがASUS、構成は素晴らしい。
その他、良い点
指紋認証がついてるのはミッドレンジ・スマホの中ではアツい。とくに2016年のミッドレンジ・スマホで指紋認証を載せている機種はかなり少ない。つまり2017年のミッドレンジで指紋認証さへついていないスマホは買ってはいけない。ということを示唆している。
5.2インチのディスプレイで解像度がフルHD。この構成は理想的。ミッドレンジ・スマホも今後はフルHDがスタンダードになるんでしょうな。ディスプレイも十分きれい。
バッテリーは2650 mAhと少ないけれど、スナップドラゴン625とフルHDディスプレイのお陰で意外と長持ちする。1日使う分には大丈夫だけれど、もうちょっと欲しかった。
スピーカーは意外にも悪くない。特別良いわけではないが、音が小さすぎることはない。
OSのアップデートも現在は7.0ヌガーまで対応しており、ミッドレンジ・スマホではあるもののASUSはサポートしている点は素晴らしい。ただし、8.0まで対応するかはわからない。
残念な点
遅すぎるビデオのオートフォーカス
ZenFone 3の写真は良い。でもやはり動画はまだまだ。こればかりはミッドレンジ・スマホだから仕方がない。私のようなスマホ・オタクからすれば、「まー、ミッドレンジやし、しゃーない。」っで終わってしまう人間もいれば、過度に期待するライト・ユーザーもいない訳ではないので、そういう無理難題を押し付けるライト・ユーザーに言いたいのは、「すべてのカメラ性能で満足したければケチらずフラッグシップ機を買え」の一言につきる。っとこれだけではレビューとはいえなので、もうちょっと詳しく。
動画を撮影中のオートフォーカスが遅いので、動体を撮るのは厄介。子供を追従したり、対象物が近くと遠くにある場合はうまく撮影できない。先程紹介した上の動画の5:33くらいからオートフォーカスについて検証しているので是非みてもらいたい。当たり前だけれど、ギャラクシーS7はさすがにオートフォーカスは速い。今年のZenFone 4でオートフォーカスがどこまで改善されるのかが見ものですな。
いらないアプリの多さと Zen UI
公式サイトよりスクリーンショット: https://www.asus.com/jp/Phone/ZenFone-3-ZE520KL/
私はZenFoneのソフトウェア面があまり好きではない。まず、プリインストールされたアプリが多すぎる。こんなにもいらない。しかも消せない。もちろん強制停止させることは可能ではあるけれど、いい加減この多さはなんとかならんのかと思う。
Zen UIも慣れれば使いやすくなってくるかもしれないけれど、好きになれない。確かに、Zen UIはカスタマイズが盛りだくさんでいいのかもしれない。けれどASUSよ、アンドロイド・ユーザーはピュア(ストック)・アンドロイドを欲していることに早く気付けと言いたい。アンドロイドは素のままで十二分に使いやすい。だから変なことはしなくて良いんだ。。。
3万2千円は安いとはいえなくなった
3年前のフラッグシップ機が3万2千円で買える。とだけ聞けば安いと感じる。けれどもミッドレンジ・スマホも競争が激しい。確かに去年までで言えば、この構成でカメラもそこそこ良いZenFone 3ならばこの価格でもよかったかもしれないが、2017年では正直キツイ。若干高い。その理由はこのブログでも書いたHuawei P10 Liteの存在。P10 Liteの価格は約2万8千円。チップセットの性能はZenFone 3の方が若干上ではあるものの総合的にみればP10 Liteの方が良い。もちろんP10 Liteは今年の端末だから、ZenFone 4が発売されれば形勢は変わるのかもしれないけれど。ただ、この3万2千円の価格が下がらない限りZenFone 3に勝機はないとだけ言える。
まとめ
発売から約10ヶ月経過しているのにも関わらず価格.comのスマホ人気ランキングで未だに3位と人気は堅調でびっくりしている。それだけ価格以上にZenFone 3の性能が上回っているということなのでしょう。カメラ性能もミッドレンジでは優秀。スナップドラゴン625にRAM3GB、容量32GBと文句なしの構成。フルHDディスプレイに指紋認証とミッドレンジ・スマホとしてはこれ以上ない機能。
ただし、この価格層も更に競争が激化してきており、2017年のZenFone 4がどうでてくるのかが大変見ものと言いたい。
ミッドレンジ・スマホを買う際の注意点
最後に、Huawei P10 Liteのときにも書いた通り、ミッドレンジ・スマホにはジレンマがあり、このクラスのスマホを買うときは本当に注意が必要。なぜなら、ライト・ユーザーしか買ってはいけないから。フラッグシップ機の性能を知っている人間がメイン機の代替として気軽に手をだしてはいけない。しかも、ミッドレンジ・スマホはその価値が下がるのが早く、プロダクト・ライフは短い、中古で売る場合も大した値はつかない。よって買ったら使い切るという考え方を持ちましょう。
つまるところ、私の両親世代 (60代)やスマホを多少使えれば良いという、本当のライト・ユーザーなら手を出しても構わない。そういう人たちならば、2年以上は十分に満足して使えると約束できる。若い世代なら、スマホを四六時中イジっている訳で、そういう人たちは、奮発してフラッグシップ機を買いましょう。そちらの方が最終的にはコスパがよろしいので。
更に、発売後10ヶ月以上経過しているミッドレンジ・スマホを買うことは全くおすすめしない。上にも書いたように、ミッドレンジ・スマホは寿命価値が短い。1年経つとその価値がウンと下がる。ミッドレンジ・スマホは発売後、遅くとも半年以内のものを買うべき。できれば初期ロットから少し時間の経った発売後3~4ヶ月以内に購入するのが良いと思う。