2018年4月、現時点で3万円以下のスマホであればコスパ最強(かもしれない) 「Huawei nova lite 2 (約2万5千円) 」。もうすでに話題になってから2ヶ月近くもたっていて、人によっては今更感があるかもしれないけれど、私なりの意見をまとめていきたい。
アイキャッチ画像はHuaweiジャパン(公式)よりスクリーンキャプチャ:https://consumer.huawei.com/jp/phones/nova-lite2/
主なスペック & 価格
チップ | Kirin 659 |
RAM | 3GB |
容量 | 32GB + micro SD |
画面 | IPS LCD 5.65インチ 1080 x 2160 フルHD+ 18:9 (アスペクト比) 76.4% (スクリーン対ボディ比) |
カメラ | 背面:1300万画素 F値不明 200万画素 F値不明 インカメラ:800万画素 |
バッテリー | 3000 mAh |
OS | オレオ8.0 (EMUI 8.0) |
その他 | イヤホン・ジャック有り |
価格 | Simフリー 約2万5千円 |
良い点
価格 約2万5千円:端末自体のコスパが規格外といえる
現時点で、3万円以下で買えるミドルレンジ・スマホとしてnova lite 2がコスパ最高だろうと思っている。強敵であるHuawei P10 Liteも現在約2万3千円(価格.comより)で売られているが、nova lite 2 の方が新しいチップを使っている点とベゼルレス化している点を加味すると私はこちらの方がコスパは上と見ている。
2018/4/26 (執筆時) | 端末のみ(税込) |
Amazon |
2万4624円 |
mineo | |
OCN モバイル ONE | |
楽天モバイル | 2万8058円 |
DMMモバイル | |
LINEモバイル |
面白いことに、Amazon・mineo・OCN モバイル ONEは2万4624円で同じ。楽天モバイル・DMMモバイル・LINEモバイルは2万8058円で同じ。なぜ3千円以上も価格差がつくのかはわからない。
音声付きプランなどになるともっと端末代金が安くなる。楽天なんかは○○キャンペーンとかしょっちゅうしているので話がややこしくなる。なのでここではそういった話は控え、純粋に端末だけの価格で話を進めていきたい。
スマホ自体の価格を純粋に比べると最安が約2.5万円なので今回はこの価格を基準に考える。ここから深く掘り下げていくけれど、この価格で今から述べる総合的なパフォーマンスが如何に尋常じゃないかをわかってもらえれば幸いである。
ベゼルレス・デザインの採用
画像はHuaweiジャパン(公式)よりスクリーンキャプチャ:https://consumer.huawei.com/jp/phones/nova-lite2/
2万5千円でベゼルレス・デザインのスマホが手に入るというのは非常に素晴らしいといえる。今年からミドルレンジのスマホもベゼルレス化しているので、このデザインは今後はそれほど珍しいモノではなくなる。
けれど、上記のようなケースは3月や4月に“発表されたばかり”で未だに販売も始まっていないモノがほとんど。nova lite 2が2018年の2月に販売されたことを考えればHuaweiの開発スピードに驚くばかりである。
76.4%:スクリーン対ボディ比
この数字自体はそれほど驚くべきものではない。今年のミドルレンジは80%以上のモノも存在する。しかし、何度も言うように、価格と2018年の2月という早い段階でこういったスタイルのミドルレンジ・スマホを導入できるのがすごいといえる。
ディスプレイ:このクラスでは必要十分
5.65インチ IPS LCDパネル / 解像度フルHD+ / アスペクト比 18:9
2018年、ミドルレンジはフルHD+(1080 x 2160)が主流になるだろう。なのでnova lite 2のフルHD+の解像度に驚くことはない。しかし、こういった「当たり前のことを当たり前にやる」というのは重要で、しかも低価格なのにも関わらず、フルHD+というのは如何にコスパが良いスマホなのかがわかるだろう。
注意:グーグル・クロームでの文字表示が滲(にじ)んだような表示になる。読むのに支障がないけれど、気になる人はいるかもしれない。
処理能力:ミドルレンジとして必要十分
Kirin 659 + 3GB RAM
まあ、これだけを見てもどれくらいの処理能力があるのかはわかりづらいので、総合的な処理能力を測る最も有名なアプリAntutuでのスコアを紹介すると:
Antutu | 7 Ver. | 6 Ver. |
スコア | 8万8500前後 | 6万3000前後 |
7Verは7バージョンという意味でこれが最新版になる。7 Ver.はスコアが多めにでる。旧式の6 Ver.は低めにスコアがでる。
この数字はミドルレンジ・スマホとして“普通のスコア”で特に優れている訳でも劣っている訳でもない。
ソース:Phone Arenaより https://www.phonearena.com/phones/Huawei-Mate-10-Lite_id10706/benchmarks
上の写真はAntutuの旧式であるバージョン6のアプリで計測したスコアの端末別の比較。nova lite 2 のスコアは6万3000なので、青いバーのMate10 Liteとほぼ同等といえる。この数字は2017年のフラッグシップ機であるP10の約半分程度の処理能力といえる。
これを見て悲観する必要はなく、ゲームをしない人であればサクサク動作するし、多少の3Dゲームであれば楽しめる程のパワーは備えている。けれど、ゲームによっては“カクカク”する可能性は大いにあるので、ゲームを楽しみたい人は素直にフラッグシップ機の購入をした方が良い。
何度も言い過ぎて聞き飽きているかもしれないけれど、このパフォーマンスで2万5千円なのでコスパは本当に高いと言い切れる。
デュアルレンズ・カメラ
画像はHuaweiジャパン(公式)よりスクリーンキャプチャ:https://consumer.huawei.com/jp/phones/nova-lite2/
メイン:1300万画素 F値不明 + サブ:200万画素 F値不明
一言でいうと、この価格であれば「写真を撮る分に関しては」十分良いパフォーマンスであはあると思う。YouTubeの比較動画が挙げられていたのでこれを見てもらえればわかりやすいと思う。
ソニーのXperia X コンパクトと比較されているけれど、まあ、nova lite 2は白飛びが気になる。しかしながら、この価格なのでカメラにまで予算が回らないのは仕方のないことだと思う。
私のようにカメラ性能を重視するユーザーであればnova lite 2のカメラ・パフォーマンスには期待してはいけない。期待する方が間違っているともいえる。なぜならミドルレンジ・スマホというのは必ずどこかにコスト・カットを強いられ、通常、一番お金のかかるカメラ性能がまず削られる。
けれど、カメラは写真が撮れれば良いという人であれば、nova lite 2のクオリティーでも満足できると思う。こればかりはその人次第である。なので、上のYouTube動画をしっかり見てもらいたい。
サブカメラはボケ味を出すために使用
私の調べた限りでは、サブカメラは被写体と背景の距離を測るために使われているそうで、それ以外に効果的な働きはしていないらしい。
ただ、サブカメラでボケ味をうまく出すことができるので、スマホでも“ちょっと一眼っぽい”モノを撮ることができる。
ワイド・アパーチャ効果を楽しめる
上の動画の8:43からワイド・アパーチャ効果について解説してくれているので、それを見てもらったほうが言葉で解説するよりもわかりやすいと思う。
言葉で説明するとこんな感じになる。
この機能をONにして普通に写真を撮ると、撮影後に写真のピントを変更したり、F値を変更してボカした写真にしたり、逆にF値を上げて全体的にシャープな写真に変更したりできる。どうしてこのように変更ができるのかというと、2つのレンズで被写界深度を測っているそう。ただし、これは全てソフトウェア加工なので、一眼レフのように物理的に自然なボケが出ている訳ではない
わかり辛いでしょ?なので、上の動画を見てもらった方が断然わかりやすいので見て下さい。
その他、良い点
イヤホン・ジャック(端子) あり
これは非常に高評価。いつも言っているが「無いより有ったほうが良い」モノ。私はイヤホン・ジャックの需要はまだまだ高いと思っているので、これが継続されて良かったと思っている。
3000mAh バッテリー
2万5千円の価格を考えれば、容量は十分だと思う。コスト・カットすることはできただろうが、3000もあれば十分だと思うし、チップもミドルレンジ用なのでこのチップと組み合わせれば省電力性は優れている。
OS:オレオ8.0 (EMUI8.0)
オレオ8.0は最新バージョンである8.1の一つ前のバージョン。この価格のスマホでオレオまでアップデートしてくれているのは非常にありがたい話。
おそらくアンドロイド9.0へのアップデートはないと予想しているが、これは仕方のないことなのであまり気にする必要はないと思う。
micro SD 対応
本体容量は32GB。なので、これでは足りない人も出てくるだろうけれど、micro SDが挿せるので256GBまで対応しているので容量で不満になることはない。
残念な点
良いスマホをレビューする時の共通点として欠点を見つけることが難しい。けれど、そういう訳にはいかないので、かなり厳しめに見て、敢えて欠点を挙げております。
HuaweiのUIが嫌いな人には向いていない
HuaweiのUIはEMUIと呼ばれており、アンドロイドOSの中でも複雑なカスタマイズが可能なUIになっている。
一方、多くのアンドロイド・ユーザーはシンプルで使いやすいストック・アンドロイド(素のアンドロイド)を求める声が非常に多く、HuaweiのようなUIを嫌う人も多い。
32GBの容量があるが、開封時の空き容量は22〜23GBなので、約10GBもこのUIのために使用されている。
個人的には、HuaweiのUIはストック・アンドロイド・ファンが毛嫌いする程、使いにくいモノではなく、実際に慣れれば結構便利な機能も多く、OS自体はかなり完成度が高い。
私はそれでもストック・アンドロイド派であるけれど、まあそこまで嫌う必要はないと思っているし、HuaweiのOSにある機能がストック・アンドロイドにも採用されればいいなと思うモノもあるくらい。
動画の手ぶれ補正は話にならない
まず、この動画をみてもらいたい。
「良い点」で書いたように、カメラ性能というのは非常に金のかかる部分なのでミドルレンジでは手をかけられない。だから、動画の手ぶれ補正もこんな風になってしまうのも理解できる。
写真に関してはまだ“価格にしては良い方”だと思っているので、それだけでも十分だと思っている。動画性能は諦めるべきなのかもしれない。
その他、残念な点
WiFi-5GHz(ギガヘルツ)帯 非対応
この話を1から説明すると1記事分ほどの量になるので、物凄く手っ取り早く説明すると、WiFiには2.4GHzと5GHzの帯域があり、2.4Ghzは昔からあり、5Ghzは新しい帯域で、このWi-Fiに対応するスマホはiPhone5Sの年くらいから増え始めた。新しい帯域ではあるけれど、もう5年近く前から対応している。
5Ghzの方が新しいだけあり、スピード面や接続面でメリットがあるので、これに対応していれば良いのだけれど、nova lite 2は残念ながら対応していないので、Wi-Fiの使用環境が少し煩(わず)わしくなるかもしれない。
DSDSできない
このDSDSの意味がわからない人は以下のリンクをお読みいただければと思います。
DSDSとは?対応スマホは?使い方は?メリットデメリットもご紹介!
人によってはDSDSが必要な人と全く不要な人に別れると思う。nova lite 2はSimカードを2つ挿せるのだけれど、DSDSには対応していない。これが必要な人は購入しないことをオススメします。
まとめ
残念な点を挙げつつも、動画の手ぶれ補正以外は致命的な欠点はないと感じている。動画の問題も価格面を考慮すれば仕方がないコトではある。なにせ2万5千円なのだからこの程度しか問題点はないと考える方が妥当だと思っている。
それ以外は非常に良いパフォーマンスで、処理能力・ディスプレイ・ベゼルレス化・バッテリー容量・イヤホン端子・オレオ8.0のOSなどなどミドルレンジ・スマホとして必要なスペックは全て揃えている。
そして何よりも、価格が約2万5千円。こんな価格でここまで優れたミドルレンジ・スマホを提供できることに驚いてしまう。nova lite 2 は格安Simとセットでかなり安く購入できるパターンもあるので人によっては更に節約することも可能なので是非大手の格安Sim会社(Amazon・mineo・OCN モバイル ONE・楽天モバイル・DMMモバイル・LINEモバイル)などで検討しても良いだろう。
3万円以下でスマホを探している人や、サブ機として使用するには間違いなく“買い”のスマホであると断言できる。