マニア層では非常に人気の高いフラッグシップ・スマホ「OnePlus 6 をレビュー」したい。
5Tの後継機にあたるOnePlus6。順当にアップグレードしているが、毎回新しい端末を発表する度に価格がアップしていく。もうこれは仕方のないことだろうと受け止めるしかないのだろう。
それではレビューへ。
アイキャッチ画像はOnePlus公式サイトよりスクリーンキャプチャ:https://www.oneplus.com/6
単刀直入な感想
OnePlus 6の総合的なパフォーマンスはようやく業界トップのアップル、グーグルPixel、そしてサムスンにこれまでにないほど近づいてきたといえる。
今回、カメラ性能に関しては年々、トップとの差が縮まっていると思う。暗所での撮影が徐々に良くなってきているし、動画の手ぶれ補正もOnePlus5、5Tあたりから格段に良くなっており、6でも非常に安定している。
昼間の屋外での写真であれば、ギャラクシーS9+やiPhone Xなどと比べてもほぼほぼ互角に戦えると思う。
処理能力は相変わらず最も評判が良く、「6/8GB RAM + スナップドラゴン845」を搭載しているので、全く問題になることはない。
Oxygen (オキシジェン)OSも快適で、大まかな変更はないし、その必要はない。バッテリーライフも優秀で、かつ「ダッシュ・チャージャー」と呼ばれる有名な急速充電のお陰で充電時間も非常に短く済む。
ディスプレイはフルHD+の有機ELパネル、イヤホン・ジャックも継続と今まで通りの良さを発揮している。
価格は約6万6〜8千円で、毎年のように上がっているけれど、総合的な性能をコスパで考えれば非常にバランスが良く、コスパ良好といえる。
残念な点は顕著で、スピーカーにはまだ力を入れておらず、モノラル・スピーカーで大したコトはなく、ワイヤレス充電は非対応、防塵防水のIP規格にも非対応。
OnePlusはサブ・カメラをうまく使えておらず、苦戦しており、今回の6はボケ味を出すためだけのサブ・レンズとなっている。あと、オートフォーカスが迷う傾向がある。
相変わらず日本では公式販売されていないので、個人輸入になる。個人輸入については近年は非常に簡単で、日本語で対応してくれるので難しくはないのだが、故障した際や初期不良が起こった場合、めちゃめちゃめんどくさいというのはある。
それでは詳しく見てまいりましょう。
主なスペック & 価格 (アメリカ)
チップ | スナップドラゴン845 |
RAM | 6/8 GB |
容量 | 64GB/128GB/256GB |
画面 | AMOLED 6.28インチ 解像度: フルHD+ 2280 x 1080 (402ppi) 19:9 (アスペクト比) 83.8% (スクリーン対ボディ比) |
カメラ | 背面:メイン 1600万画素 F1.7 光学式手ぶれ補正(OIS) 電子式手ぶれ補正(EIS) サブ 2000万画素 F1.7 インカメラ:1600万画素 F2.0 |
バッテリー | 3300 mAh |
OS | オレオ8.1 |
その他 | イヤホン・ジャック 防水防塵 IP規格非対応 ワイヤレス充電非対応 |
価格 | 公式価格 USドル RAM6GB/64GB → $529 (¥5万8千) RAM8GB/128GB → $579 (¥6万3.3千) RAM8GB/256GB → $629 (¥6万9千) |
良い点
カメラ性能:トップクラスのPixel2、iPhone X、ギャラクシーS9+に近付きつつある
いつも通り、カメラの比較動画を見て頂いた方が早いので、どうぞ。今回は、iPhone X、S9+、そしてPixel 2との比較動画を選んだ。
OnePlus 6 vs iPhone X
OnePlus 6 vs S9+
OnePlus 6 vs Pixel 2
カメラ総評
OnePlus 6では暗所での画質が向上していたり、ダイナミックレンジの幅も広くなっており、カメラ・クオリティーはトップクラスである上記のスマホに肉薄している。
動画は4K60FPSになると、どうしても手ぶれ補正があまり効かない。これは比較されたスマホ(iPhone X、S9+、Pixel 2)にも当てはまるけれど、OnePlus 6ほどは劣化しない。
OnePlus 6の場合、フルHDの60FPS動画でも手ぶれがひどいので、動体の撮影には不利だといえる。
しかし、4K30FPS、フルHD30FPSの動画になると信じられないくらい手ぶれ補正が効く。これは電子式手ぶれ補正(EIS)によるもので、OnePlusのEISの性能は非常に優れている。
人によってはEISのためにクロップしすぎていると思う人もいるかもしれないが、私はこれだけの安定性を生み出すのであれば、それを犠牲にする価値はあると思う。
スローモーション撮影は流行りの960FPSには対応していない。しかし、240FPSのフルHD動画や480FPSの720P動画をを撮影できる。必要十分なカメラ性能といえる。
iPhone X、S9+、Pixel 2が8〜12万円することを考えれば、6.8万円のOnePlus 6のカメラ性能は非常に素晴らしいといえる。
Oxygen (オキシジェン) OS:アンドロイドOSの理想形
最新のオレオ8.1にアップデートされている。カスタマイズも豊富でありながら、シンプルなOSに徹しているのがオキシジェンOS。このブログでも何度も「アンドロイドOSの理想形」とか「あるべき姿」と書いている。
基本的には純粋なアンドロイドOSに近い使い心地でありながら、様々な便利な機能が付いており本当に使いやすい。しかも、とても軽いOSなので、長期で使っていてもずっとサクサク動く。
ノッチ・デザインを採用しているのでノッチ・デザインを目立たないようにする機能も用意している。
OnePlusはOSのアップデートが比較的早く、これも非常に好印象。アップデートも2バージョンくらいまでは対応してくれている。例えば、OnePlus 3(2016年)は現在、マシュマロ → ヌガー → オレオとアップデートが継続されている。
なので、OnePlus 6もオレオ → アンドロイドP → アンドロイドQ まではアップデートしてくれるだろうと思う。
価格:コストパフォーマンスのバランスは非常に良い
もう格安フラッグシップとは呼べないけれど、それでもコストパフォーマンスはまだまだ健在である。OnePlusは力を入れている分野とそうでない分野がはっきりしている。
そのため、他のフラッグシップよりも価格を抑えるコトに成功しているし、初代・OnePlus1を発表して以来、現在までこの戦略がうまくいっている。
個人輸入した場合の税込み価格(価格はイートレンとエクスパンシスの執筆時6月27日の最安を参照)
*エクスパンシスは送料と消費税を計算に入れた総額を算出
*S9+はスナップドラゴン845版(G9650)
*iPhone Xはアップルの公式価格とじゃんぱらの未使用品の価格
機種 | イートレン | エクスパンシス |
OnePlus6 | 6万7944円 | 6万8314円 |
XZ2 | 7万175円 | 7万3857円 |
S9+ | 9万3968円 | 9万992円 |
P20 Pro | 9万7477円 | 10万1336円 |
機種 | アップル公式 | じゃんぱら(未使用) |
iPhone X | 12万1824円 | 10万4980円 |
さすがに、アメリカでの公式価格 529ドル = 5万8250円 (執筆時レート)と比べるとイートレンやエクスパンシスの価格の約6万8千円が高く感じる。
でも、実は個人輸入の価格はヨーロッパの公式価格とあまり変わらない。519ユーロ = 6万6440円 である。そう考えればイートレンやエクスパンシスの価格は非常に良心的と思う。
カメラ性能がほんの少し低い点とモノラル・スピーカー、ワイヤレス充電非対応、IP規格非対応、これらがマイナス要素ではあるけれど、それでもOnePlus 6の総合力を考えれば非常にコスパは良好といえる。
今年はソニーのXZ2が非常に安く売られており、これによりXZ2もコスパが高いスマホといえるけれど、XZ2よりも3千円弱安い。
ちなみにアマゾンの価格を見てみると64GBモデルが約7.5万円、128GBモデルが8.2万円する。これは、個人輸入するよりも高く、特に64GBモデルは高すぎるほど。アマゾンでの購入はおすすめできない。
バッテリーライフは優秀 (3300mAh)
画像はOnePlus公式サイトよりスクリーンキャプチャ:https://www.oneplus.com/6
過去OnePlus 5が超がつくほど優秀なバッテリーライフを発揮していた。5に比べると、5T、6は画面が大きくなったけれどバッテリー容量は3300mAhのまま、従来と変わりがないので、バッテリーライフは5ほど良くはない。
けれども、OnePlus 6は従来通り、省エネ設計で、おそらく軽いOSがバッテリー消費を軽減していることから、バッテリーライフは優秀である。アベレージ・ユーザーであれば1日は余裕でもつだろう。
バッテリー・ドレイン・テスト
順位 | メーカー | 時間 |
1位 | P20 Pro | 8時間30分以上 |
2位 | OnePlus 5T | 8時間25分 |
3位 | OnePlus 6 | 8時間03分 |
4位 | S9+ | 7時間53分 |
5位 | Pixel 2XL | 7時間35分 |
最下位 | iPhone X | 6時間43分 |
この結果は“一応の目安”として考えてもらいたい。
ダッシュ・チャージャー(急速充電)
OnePlusの端末はダッシュ・チャージャーとよばれるOnePlus独自の急速充電に対応しており、充電時間がかなり短くて済む。ダッシュ・チャージャーの性能に不満をもつ人はまずいないだろう。
その他、良い点
イヤホン・ジャックの継続
フラッグシップ機でイヤホン・ジャックは希少な存在になりつつある。何度も書くが「無いより有ったほうが良い」モノ。
Alert Slider (アラート・スライダー)
画像はOnePlus公式サイトよりスクリーンキャプチャ:https://www.oneplus.com/6
これはiPhone の無音ボタンに似ている機能。
無音・バイブレーション・音アリ
この3つにすぐに設定できる。
処理能力: 6/8 GB RAM + スナップドラゴン845
これはOnePlusの十八番といえる点。上位モデルになると8GB RAMになるけれど、正直ここまでのRAMは全く必要がない。現状は6GBでさえも要らないと言われており、6GB RAMは2年後でも十分なRAMの量と思っている。
オキシジェンOSがとても軽いOSなので、長期で使用してもサクサク軽快に動くので、処理能力で心配する点は何一つない。
ディスプレイ:有機EL (AMOLED) フルHD+
これも従来通りのスペック。解像度はフルHD+で、パネルは有機EL。特別優秀な画面ではないが、十分に高精細である。おそらく、パネルはサムスン製。
画像はOnePlus公式サイトよりスクリーンキャプチャ:https://www.oneplus.com/6
スクリーン対ボディ比:83.8%
これは素晴らしい数値といえる。もちろん、ノッチ・デザインを採用しているので、数値が向上するのもわかるが、実は最下部のベゼルがとても細いのである。これは特筆すべき点でもある。