サムスン・ギャラクシーS9 & S9+。2018年上半期に発売されるフラッグシップ機では大本命ともいえるスマホ。昨年のS8は完成度が高かったけれど、今回のS9とS9+はそれ以上に完成度が高いといえる。つべこべ言わず、いきましょう。
アイキャッチはギャラクシーモバイル公式サイトよりスクリーンキャプチャ:http://www.galaxymobile.jp/galaxy-s9/
単刀直入な感想
2018年上半期、“これ以上のフラッグシップ機はない!!”(たぶん)。と言い切ってしまいたい程のスマホ。まずS9とS9+には致命的な欠点がない。現時点で、スマホに応用できるテクノロジーを最大限に注ぎ込んだ端末。限りなくパーフェクトに近いスマホといえる。
最高クラスのベゼルレス・デザイン、ディスプレイ、カメラ性能、AKGが担当しDolby Atoms(ドルビー・アトモス)に対応したスピーカー性能、防水防塵(IP68)、急速ワイヤレス充電、イヤホン・ジャック、その他細かい点まであげればキリがないほど2018年のスマホに欲しい要素がほぼ全てこの1台に備わっているといえる。
そして価格は S9:US$719.99 (約7万6800円;執筆時のレート)、S9+:US$839.99 (約8万9600円)。ギャラクシーSシリーズなので確かに高い買い物ではあるけれど、S9とS9+の総合的なクオリティを考慮すればそれ相応の価格といえる。むしろ近年のフラッグシップ機価格がインフレしていることを考えれば、若干価格を抑えているとさへも思える。
S9とS9+の総合的なパフォーマンスと価格設定をみて、ライバル企業は戦々恐々としているのではないかとさへ感じる。さあ、それでは詳しく見てまいりましょう。
主なスペック
画面サイズ | S9 → 5.8インチ Super AMOLED (2960 x 1440) QHD+
S9+ → 6.3インチ Super AMOLED (2960 x 1440) QHD+ |
SoC | Snapdragon 845 (又はExynos 9810) |
RAM(メモリ) | S9 → 4GB
S9+ → 6GB |
容量 | 64 GB ~ (128GB 又は 256GB版もある) 外付けmicro SD可 (400 GBまで) |
カメラ | 背面: 標準レンズ 1200万画素 F1.5 & F2.4 光学式手ぶれ補正OIS
望遠レンズ (S9+のみ) 1200万画素 F2.4 光学式手ぶれ補正OIS インカメラ: 800万画素 F1.7 |
バッテリー | S9 → 3000 mAh
S9+ → 3500 mAh |
その他 | Dolby Atmos対応スピーカー、イヤホン・ジャック、防水防塵(IP68)、急速ワイヤレス充電 |
良い点
進化し続けるカメラ性能
カメラの構成の違い | |
S9 | メインレンズ 1200万画素 F1.5 & F2.4 光学式手ぶれ補正OIS |
S9+ | メインレンズ 1200万画素 F1.5 & F2.4 光学式手ぶれ補正OIS
望遠レンズ 1200万画素 F2.4 光学式手ぶれ補正OIS |
上の表に書いたように、S9のカメラは1つ、S9+はデュアルレンズということになる。ちなみに、S9+の構成はNote8と同じ。進化し続けると書いたけれど、前機種であるS8も非常に良いカメラ・パフォーマンスであるので、“ビックリするほど”の変化がある訳ではございません。
取り敢えず、カメラ比較動画を見てもらったほうが早いので、毎度英語のYouTube動画ではありますが、SuperSafさんの比較動画をどうぞ。比較対象は一つ目はiPhone X、二つ目はPixel 2XL。
「Samsung Galaxy S9 Plus vs iPhone X Camera Test Comparison」
「Samsung Galaxy S9 Plus vs Pixel 2 XL Camera Test Comparison」
一応、もうひとつiPhone Xとの比較動画。これはThe Tech Chapという方
「Samsung Galaxy S9 Plus vs iPhone X Camera Review | The Tech Chap」
iPhone XとPixel(ピクセル) 2は2017年に発売されたスマホにおいて最高峰のカメラ性能である。この2つと比較してもわかるように、両者とほぼ同等、又は条件によってはそれらより優れていたり、劣っていたりするのがわかる。
このレベルの比較になってくると日中の写真や動画はその人の“好みによって”どちらが優れているかどうかという判断になってくると思う。
もちろん、動画でも詳しく解説がされているけれど、かなり細かい点を見れば、ダイナミックレンジに差がでたり(とくにPixel2はとても優秀)、望遠時のシャープさ、ポートレート撮影時のボケ具合、暗所での違いがあるけれど、よっぽどカメラに拘(こだわ)りがある人でない限り「この3つならあまり変わらない」と思うでしょう。
人によっては「2017年のフラッグシップ機と変わらないんじゃ、S9は劣っているんじゃないの」と判断するのかもしれないけれど、現実的には「緩やかな性能向上」しか技術的に望めないわけで、しかもiPhone X、Pixel 2、S9より劣るカメラ性能はこの世にごまんとあることを考えれば、S9のカメラ性能に不満はでないハズ。
カメラの総評は以上になるけれど、S9特有のカメラ機能を下に書いておきます。
業界初の可変絞りに対応
S9とS9+の面白い試みは、スマホ史上初めて、絞りを変更できる機能を搭載した「デュアル・アパチャー」を取り入れた点。まあ、簡単にいうと「F値を1.5と2.4のどちらかに変更が可能」という機能。
上の動画はサムスンの公式動画で、黒い枠が「カシャッ」っと出てくる。カメラを少し知っている人であれば「ふーん」という程度で、カメラはオートでしか撮らない人なら、F値?なにそれ?っと思うかもしれない。
F値が変わるとどういう結果になるのかという超簡単な解説を入れておきます (カメラにお詳しい方はここは飛ばして下さい)
F値1.5:明るいレンズ → 暗所に強い、背景ボケ、やわらかい画
F値2.4:F1.5よりも暗いレンズ → 暗所に弱いがよりシャープで力強い画、風景撮影に便利
より詳しくお知りになりたい方は以下のリンクを参考に勉強してみてください。
オートで撮る場合はS9が自動でF値を操作し最適な設定で撮ってくれるので、F値について心配する必要はまったくないし、オートでも十分にキレイな写真が撮れるのは上の比較動画でも証明されております。
マニュアル・モードも充実しているので、写真に拘りたい人はここで微調整も可能。ただし、このモードの場合F値を変更すると、再度ISO感度、シャッタースピードを設定し直さないといけないので、ちょっと面倒。
超スローモーション撮影 960FPS
上の動画の0:16あたりから。これは昨年、ソニーのXperia XZ Premiumで可能になった超スローモーション撮影の技術。スポーツや瞬間を撮影したいときに便利。
サムスンは、被写体が動くと自動的に撮影を開始してくれる設定があり、より簡単にスローモーション撮影が可能になっている。
AR 絵文字
先程の動画の0:30あたりから。iPhone Xのアニ文字と同じような機能。まあ、使うか使わないかは敢えて書かないけれど、こういうこともできますよ。ということなのでしょう。
初のステレオ・スピーカー
相変わらずオーディオ関連に疎(うと)い私ですが、ちょっと頑張って書き並べます。が、まずはiPhone XとPixel 2XLとの比較動画を3つどうぞ。3つも見るのは面倒という方は3つ目の動画が“映画のサウンドで比較”しているのでそちらが面白いかもしれません。
「Samsung Galaxy S9 vs iPhone X Speaker Comparison – YouTube Tech Guy」
「Samsung Galaxy S9 vs Pixel XL 2 Speaker Comparison – YouTube Tech Guy」
「iPhone X vs. Galaxy S9 Plus vs. Pixel 2 XL: Speaker Test!!!」
まず、iPhone X と Pixel 2XLのオーディオはトップクラスの質と言われている。この2つ比較しても、S9は遜色ないのではと思う。始めの2つの動画の選曲はイマイチな気がしない訳ではないけれど、私程度の人間であれば、十分な音質だと思う。
単純な表現で申し訳ないが、S9は音量も大きく、クリアー。(ありきたりすぎて苦笑いしてしまう。) 映画の音響ではDolby Atmos(ドルビー・アトモス)のお陰なのか、先入観からくるものなのか、より臨場感が若干上がったような気もする。
ギャラクシーモバイル公式サイトよりスクリーンキャプチャ:http://www.galaxymobile.jp/galaxy-s9/
とにかく、サムスンはオーディオ関連のクオリティーを上げるためAKGという非常に有名な音響企業と協力し、かなりの音質を向上させたということがよくわかる。とりわけ、ギャラクシー・シリーズはSシリーズ、Noteシリーズ含め、スピーカーの評判はあまりよくなく、サムスンの弱点の一つであった。しかし、これだけスピーカーが改善すれば、文句もでないでしょう。
相変わらず最高峰のディスプレイ & ベゼルレス・デザイン
もうサムスンのAMOLEDディスプレイの美しさは書く必要もないだろう。これ以上の高精細なディスプレイは他になく、スマホにこれ以上の性能もいらないであろうと私は思っている。
有機ELパネルのお陰で、QHD+ → フルHD+ → HD+ と解像度を下げることが可能で、初期設定ではフルHD+になっている。解像度を下げるとバッテリーの駆動時間が長びかせることが可能なので、私はフルHD+のままで良いと思っているし、スマホ・サイズであればフルHD+で十分に美しいというのが私の持論。
スクリーン対ボディ比:S9=83.6% / S9+=84.2%
意外かもしれないが、この数字はiPhone Xの82.9%を上回る。S8に比べると若干向上したといえる。S8自体がかなりのベゼルレス化を行った端末であったので、昨年よりあまり大きな変化はないけれど、個人的には素晴らしい数字だと思う。
(数字はGSMArenaを参照)
インテリジェント・スキャン & 背面指紋認証
インテリジェント・スキャンとは?
サムスン・ジャパンの公式の説明:
顔認証と虹彩認証を組み合わせた便利な技術で、スムーズにロック解除ができます。顔認証で情報が不足した時には、虹彩認証で補完します。逆もまたしかり。これにより、暗い所でも生体情報を識別することができます。
顔認証 → 失敗 → 虹彩認証 → OK
という感じなのでしょう。とにかく便利になるので嬉しい限り。
指紋認証が正しい位置へ
ギャラクシーモバイル公式サイトよりスクリーンキャプチャ:http://www.galaxymobile.jp/galaxy-s9/
前機種のS8、最大の悪夢が指紋認証の位置。特にサイズの大きいS8+になると非常にめんどくさい位置に指紋認証ボタンがあり最悪のデザインであった。
おそらくあれは、技術的な問題で指紋認証ボタンを下へ下げれなかったのでしょう。今回は当然のごとくカメラの真下へ改善。これで、一件落着。
正しい位置の背面指紋認証、顔認証、虹彩認証 もう完璧すぎる。
その他、良い点
Bluetooth apt-Xに対応
これは、ワイヤレスで音楽を楽しむ際、apt-Xに対応していると音質がかなり向上するという技術。(先にも書いたように私はオーディオ関連が弱いので詳しく書けませんが、apt-Xはワイヤレスで音楽を楽しみたい人には欠かせない要素だそうです。)
防水防塵 (IP68) & 急速ワイヤレス充電対応
もう書かなくてもわかりますね。
スナップドラゴン845 & 4〜6GB RAM
S9= 4GB RAM
S9+= 6GB RAM
という構成。地域によってはスナップドラゴン845ではなくサムスンの開発するExynos 9810の場合もあるけれど、性能はほぼ同等です。この構成は2018年のフラッグシップ機では標準になるのでとくに書き足すことはない。
できれば、S9も6GB RAMを積んで欲しかった。。。
オレオ8.0
アップデートが遅いながらもようやくサムスンの機器も開けた瞬間からオレオ8.0に。サムスンのOSはシンプルではないけれど、慣れれば問題はない。
私は素のアンドロイドが好みではあるので、サムスンのOSは好きではないけれど、嫌いという程でもない。慣れれば問題ないと思っている。とくに、ナビゲーション・ボタン (◁○◻)の配置を変更できるようになって以来、問題ではないと思う。
バッテリーの持ちはまずまず
S9 | 3000 mAh |
S9+ | 3500 mAh |
この構成はS8とS8+のときと同じ。ただし、CPUがスナップドラゴン845(またはExinos 9810)とアップデートされているので、省電力化が進んでいるため駆動時間は前機種のS8、S8+よりも上回る。
バッテリーの駆動時間は「まずまず」という報告が多い。特別長持ちするわけでもないし、すぐへたる訳でもない。ただ、それでも1日使う分には問題はないだろう。
バッテリー駆動時間テストの動画をどうぞ。昨年のフラッグシップ機との対決なので、S9+が勝っております。まあこれだけ長くバッテリーがもてば十分でしょう。
「Samsung S9/ S9+ vs iPhone X vs Galaxy Note 8 Battery Life DRAIN TEST」
価格:S9=US$719.99 (約7万6800円) / S9+=US$839.99 (約8万9600円)
この価格を見てどう思うだろうか。これは、サムスンUSAのSimフリー版の価格。フラッグシップ機としては、“あまり高すぎるとは思わない”というのが私の意見。
なぜかというと昨年、フラッグシップ機はどんどん値上がりした、S8もそうだったし、Note8、グーグルのPixel 2XL、iPhone X。。。このS9のUS720ドルという価格はS8の時と同じ価格。つまり、サムスンは値上げを行っていない。正確にはS9+はS8+の発表時の価格に比べると$20ほど高い。
フラッグシップ機の価格がインフレしてしまったため、なぜか“そんなに高くないと感じてしまう”。もちろん、日本で公式販売されるときの価格はどうなるのかはわからないけれど、このアメリカでの販売価格は良い目安になると思う。
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