今回は「Poco F1」という日本では公式販売されていないフラッグシップ・スマホをレビューしたい。「Pocophone (ポコフォーン)」はXiaomi(シャオミー)のサブ・ブランドでインド市場向けに作られたブランドである。
なぜこのPoco F1というスマホが大きな注目を集めたのかは、そのコストパフォーマンスよるもので、間違いなく2018年のスマホとしてはコストパフォーマンス最強といえるスマホと言い切れる。
今回は「Poco F1 レビュー」ということでなぜコストパフォーマンスが凄すぎるのを解説したい。
アイキャッチ画像、記事内画像はXiaomi India公式サイトよりスクリーンキャプチャ:https://www.mi.com/in/poco-f1/
(発表時の記事↓)
主なスペック & 個人輸入価格
チップ | スナップドラゴン845 |
RAM | 6 GB |
容量 | 64 / 128 GB (micro SD可) |
画面 | IPS LCD 6.18インチ 解像度: フルHD+ 2246 x 1080 (403ppi) 18.7:9 (アスペクト比) 82.2% (スクリーン対ボディ比) |
カメラ | 背面: メイン 1200万画素 F1.9 電子式手ぶれ補正(EIS) サブ 500万画素 F2.0動画: 4K 30FPS 1080P 30FPS + EIS 1080P 240FPS インカメラ:2000万画素 F2.0 |
バッテリー | 4000 mAh |
OS | オレオ8.1 |
その他 | イヤホン・ジャック micro SD対応 |
価格 (個人輸入) |
イートレン 64GB → 3万8100円 128GB → 4万1600円 |
単刀直入な感想
Poco F1はインド市場でしか公式販売されていないため、海外通販サイトから個人輸入するしかないのだけれど、それでも「3万8100円(イートレン)」しかかからない。
この3.8万円のスマホが「処理能力:スナップドラゴン845 & 6GB RAM、4000mAhの大容量バッテリー」と、この2点に関してはアンドロイド・スマホとしては2018年のフラッグシップの最高クラスの性能といえる。
それ以外にも、この価格帯としては十分に高性能なカメラ・パフォーマンスで、イヤホンジャック、micro SDにも対応している。
ディスプレイやスピーカーも価格相応かそれ以上の性能で、全くもって信じられないコストパフォーマンスを発揮している。
残念な点としては、個人的にPoco F1のOSはあまり好きではない。シャオミーのMIUIをベースに作られており、一応はMIUIよりも純アンドロイドに近づけてはいるものの、私はこのUIをあまり好きにはなれない。
個人的にはあまり気にしないがデザイン性も「高級感は全くなく」、デザインを重視する人には向いていない。
機能的に残念なのが「NFC非搭載」ということで、NFCで決済をする人にとってはこれは不便になってしまうかもしれない。もちろん、「FeliCa (フェリカ)」には対応していない。価格を考えれば当然だが、「ワイヤレス充電、防塵防水のIP規格にも非対応」である。
総合的に「Poco F1」を見てどう思うかであるが、「間違いなくコストパフォーマンス・ナンバーワン」といえるスマホである。
もちろん、残念な点はあるが、たった3.8万円でこれだけのスペックを詰め込んできたのだから称賛の嵐である。コスパが一番大事というユーザーであれば私は間違いなくこのPoco F1をおすすめする。
それでは「良い点、及第点、残念な点」について詳しくレビューしていきたい。
良い点
個人輸入価格:コストパフォーマンス最強
64 GB → 3万8100円
128GB → 4万1600円
この価格は海外通販サイトである「イートレン」での価格なので、インドでの公式価格よりも5000円ほど高い。しかしながら、通販サイトを経由しても「ものすごいコスパ」といえる。
micro SDが使えるため、64GBでも問題ないが、128GB版もプラス3500円しかかからないので、もしmicro SDを持っていない人であれば128GB版でも良いかもしれない。
単刀直入な感想でも書いたけれど、このスマホは「スナップドラゴン 845 & 6GB RAM」と2018年のフラッグシップの処理能力をもち、バッテリーも4000mAhと大容量である。
それに、カメラもそこそこで4万円以下のスマホとしてはかなり高性能といえ、ディスプレイも品質の悪いLCDを使っている訳ではない。スピーカーも最低限の役割は果たしている。
もちろん、残念な点はいくつか存在するのだけれど、Poco F1の総合力を加味すればこの3.8万円という価格は破格ともいえる。
なにかの記事で、シャオミーはこのPoco F1では利益が出ていないとも読んだけれど、これについての真偽はわからない。ただ、間違いなく2018年のスマホでベストなコストパフォーマンスを発揮している。
バッテリーライフ
4000mAh
フラッグシップで4000mAh以上のバッテリー・サイズは「Note 9、Mate 20、Mate 20 Pro(4200mAh)」くらいだろうか。4000mAhをこの3.8万円の価格でどうやって実現しているのかは本当に驚異的すぎて、もはや意味不明の領域といえる。
バッテリーライフに関しては「全く何の不満もない」。1日で使い切る方が大変だといえ、バッテリーライフは素晴らしいといえる。
処理能力
スナップドラゴン 845
6GB RAM
この構成自体は2018年のフラッグシップとしては何の驚きもないけれど、3.8万円のスマホがこの構成というのは「尋常ではない」。
現段階で処理能力で困ることはあり得ないといえ、2D・3Dゲームなどどんなゲームにでも対応できる。RAMも6GBあるためアプリを再起動する場面もかなり少ない。
一応、Liquid Cool テクノロジーという冷却システムがあり、これがどこまで効果を発揮しているかは不明だが、役に立っていると想像しております。
カメラ
メイン 1200万画素 F1.9 電子式手ぶれ補正(EIS)
サブ 500万画素 F2.0
比較動画
いつも通り、比較動画(英語)を見てまいりましょう。(私にはこんな動画を作ることは不可能なので)
Vivo V11 Pro vs Pocophone F1 vs Samsung Note 9
Pocophone F1 vs OnePlus 6
カメラ総評
センサーはソニーのIMX363というものを使用しており、このセンサーはシャオミーのフラッグシップであるMi 8や Mi Mix 2S などでも使用されているもの。なので、センサーに手を抜いているとはいえない。
カメラ性能についてまとめると「間違いなく4万円以下のスマホではベストなカメラ性能」だと言いたい。もちろん、私が4万円以下のスマホをほとんど使用した経験がないとはいえど、カメラ性能は「なかなか」のものといえ、HDRもそんなに悪くない。
上の比較動画でもわかるが、OnePlus 6 や Note 9 に大きく溝をあけられているとまでは言えない。もちろん、OP6やNote 9の方が多くの場面でカメラ性能が上回っているのは明白だけれど、3.8万円の価格を考えれば良くやっている方だといえる。
若干ではあるが彩度が強調されたり、色味が変に暖色系だったり、時には暗すぎたり明るすぎたりと「不安定」な面があるにはあるが、「たいていの場合、そこそこの写真」が撮れる。
動画は4Kは固定しない限り使い物にならないが、1080Pであれば「十分手ぶれ補正が効く」。
暗所でも価格にしてはかなり頑張っている方といえる。ただ、Huaweiの夜間モードやGoogleのNightsightのような機能はない。
個人的には、予想以上にカメラ性能は良いといえる。3.8万円のカメラでここまでの写真・動画を撮れるのであれば文句は全く言えないといえる。この価格帯であれば間違いなくベスト・カメラパフォーマンスといえる。
その他、細かい点
イヤホンジャック、micro SD → アリ
この2つの機能は細かい点の中でも「最もあれば役に立つ」といえる。(もう余計な説明は不要だと思う)
顔認証 & 指紋認証(背面)
顔認証はIR(赤外線)顔認証で比較的その精度は良好。赤外線なので暗い場面でも精度は悪くない。
指紋認証も背面にあり、背面派の私には申し分のない配置といえる。指紋認証の精度は何の支障もない。
及第点
ディスプレイ
IPS LCD 6.18インチ
解像度: フルHD+
2246 x 1080 (403ppi)
正直なところ、ディスプレイは意外と悪くない。もちろん、もっと良いディスプレイを使えたと思うけれど、3.8万円としては十分だといえる。
おそらく安いパネルではなく、ミッドレンジ以上で使用されるパネルを使っていると思われる。よっぽどディスプレイに拘(こだわ)る人でなければ全く問題がないといえる。
ノッチと下部のベゼルも大きいのだけれど、スクリーン対ボディ比は82.2%ある (GSMArenaより)。なので特別にその数値が悪くなく、むしろ良い方だといえる。
スピーカー (ステレオ)
公式にはステレオ・スピーカーと謳っているが、「一応ステレオ・スピーカー」と宣伝していると思ってほしい。なので良質なスピーカー音とまでは言い難い。しかし、価格を考えれば及第点の品質だといえ、音量もそこそこ大きくでるので問題はないといえる。
受話口からも音が出るのだけれど、サムスンのS9などのような受話口の音を想像してはいけない。Poco F1のそれは「一応、音が出てますね」くらいの程度。気になる人は↓のiPhoneとS9の比較動画を参照してください。
残念な点
OS
シャオミーのMIUI(ミーユーアイ)を基にPoco F1用のUIを作っており、MIUIよりもPoco F1の方が「純アンドロイドに近づけている」らしい。
私はMIUIを使ったことがないため、どれほどの違いがあるかはわかならないが、アプリ・ドロワーもあるのでアンドロイド派の人には使いやすいかもしれない。「◁◯口」のナビゲーション・バーも選べる。
人によってはOSの使い心地は及第点かもしれないが、私はあまり満足はしておらず、余計なアプリも多いので個人的にはあまり好きではない。
もちろん、「慣れることは可能」なので長期で使うのであれば慣れるだろうと思う。
デザイン
決して高級感のあるデザインとは言い難く、上の画像では見にくいかもしれないが、ノッチも大きく、下部のベゼルも決して小さいとはいえない。それは価格を考えれば致し方ないことだといえる。
私はデザインにはあまりうるさい方ではないので、Poco F1のデザインは許せる範囲ではある。Poco F1は「見た目より中身勝負のスマホ」なのでデザインが良いものが欲しい人は避けるべきと言っておきましょう。
故障時はめんどう
日本で公式販売していないため、海外通販サイトからの購入になる。私は未だにスマホが故障したことはないが、故障した際は手続きなどにかなりの時間がかかると容易に予想できる。
(私は日本語サービスにも対応しており、比較的カスタマーサービスも良いとされているイートレンやエクスパンシスをおすすめしている)
もしメーカー保証期間内に故障となった場合は次のような手順で手続きが必要となる
購入先の海外通販 (イートレンやエクスパンシスなどに)まず連絡 → 端末を相手先へ送る → 向こうで点検し、ユーザーの過失なしであればメーカーへ配送 → メーカーで修理 → ご自宅へ配送・・・・
どれだけ時間がかかるか。。。おそらくどんなに早くても2週間、実際は1ヶ月くらいスマホが帰ってこない可能性がないとは言えないので、万が一故障となった場合はかなり厄介になると言える。
電化製品に故障はつきもので、しかも運によるところが多いので故障した際は、サブ機を購入するか(昔のスマホを万が一のために眠らせておくかの方が良いかもしれない)
その他、細かい点
NFC非搭載
NFCが搭載されていないため、NFCで支払いをする人には不便になる。日本の場合は「FeliCa (フェリカ)」で決済するけれど、もちろんFeliCaもない。
低価格が理由で搭載できないのか、インド市場ではNFCの需要が低いのかまではわからないが、NFCをよく使う人は注意が必要。
防塵防水 IP規格、ワイヤレス充電 → なし
これは仕方がないといえる。3.8万円でスナップドラゴン845、4000mAh、その他のパーツでもある程度の品質を保っているため、「IP規格とワイヤレス充電」に対応できないのは、ユーザー側が受け入れるべきだといえる。
まとめ
2018年のスマホの中で間違いなくコストパフォーマンス・ナンバーワンといえるのが「Poco F1」。約3.8万円で「スナップドラゴン845、6GB RAM、4000mAhバッテリー」と10万円近くするフラッグシップのようなスペック。
カメラもこの価格にしては非常に優秀といえ、ミッドレンジ・スマホのカメラとは比べ物にならないカメラ性能といえる。さすがに、OnePlus 6やNote 9などのフラッグシップには劣ってしまうが、Poco F1のカメラは意外と競争力がある。
ディスプレイ、スピーカーも及第点は与えられ、特別これらの性能が悪いとは思わない。その他、イヤホンジャック、micro SD、顔認証、背面指紋認証が使えるのは高評価。
残念なところは個人的な要因によるところが多いと思われる。OSは私はあまり好きではないが「慣れれば問題がない」という人もいるだろう。私はPoco F1のデザインは許容範囲ではあるが、「人によってはダサすぎる」と感じる人もいるだろう。
NFCが非搭載なのでNFCを頻繁に使う人は注意が必要とだけ付け加えておきたい。そして、不運にも故障した場合はかなりの時間を要するので、その場合はサブ機がとりあえずは必要になってくる。
3.8万円という価格なため、必ずマイナス要素が含まれるけれど、それでも十二分にそれを補うプラス材料があるため、Poco F1は「超がつくほどオススメ」である。
とにかくコスパ重視の人であれば「このスマホ一択」といえるし、買って損はないと約束できる。多くのマニア層がこのスマホに衝撃を受けたように、私もこのスマホのコスパに非常に驚いた。
是非、検討してもらいたい1台である。
<最新の価格は以下より>