MMD研究所が毎年発表している「格安Sim通信速度調査 (9社)」の2019年(3月)版の結果について、私の思うところを書いていきたい。
(MMDの発表を批判するという内容ではありません、むしろこういったマーケティング会社のお陰で様々なことがよりクリアーになると思っています)
詳細を知りたい方はMMDの記事をご覧ください → 「2019年3月格安SIM・格安スマホ通信速度調査」
単刀直入な結論
先に結論を書きますが、今回の格安Sim会社の中では「UQモバイルとY!モバイルは飛び抜けて速い」といえる。ただ、この2社はUQはau、Y!モバイルはソフトバンクの「サブ・ブランド」といういちづけであり、料金も他の会社よりも高いので、「速いのは当然」であり、私はあまりこの2社には格安Sim会社として興味がない。
なので残りの、一般的に格安Sim会社といわれる会社の中だと、「mineoのau回線とBIGLOBEのau回線は比較的速い」結果となっている。
上の2社のau回線は頭一つ抜けているけれど、それら以外は「どんぐりの背比べ」状態といえる。
あと、若干「遅い」という会社もあり、それは「BIGLOBEのドコモ回線」。これ関しては他の会社のよりも速度が1ランクは落ちるという結果になっている。
それではもう少し詳しく見てまいりましょう (もうすでに私の言いたいことは全てここに書いているのだけれど)。
対象格安SIM会社
通信速度結果
画像はMMD研究所の記事より引用:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1786.html
*縦軸はMbps
*箱ひげ図は基本的には色のついている部分を見てください。ただ、この”箱”の部分が大きいからといって数値が良いという訳ではないです。むしろ箱が小さい方が安定した数値を出しているということになります。
*箱の中の白い線が「中央値」で、この白い線を一番の基準としてみてください。
箱ひげ図にに関しては → 「箱ひげ図をマスターしよう!誰が見ても一瞬で伝わるレポート資料の作り方」
UQモバイル・Y!モバイルが速いのは当然
下り(ダウンロード)中央値 (全日)
- UQモバイル → 23.4Mbps
- Y!モバイル → 20.8Mbps
スマホであれば基本的に5Mbps以上出ていれば非常に快適にネットが使えるので、20Mbps以上出ているUQ、ワイモバの数値は文句なしのスピードだといえる。(パソコンは10Mbpsが基準といわれている)
ただ、先にも書いたようにこの2社は他の格安Sim会社とは”違う”。UQはauの、ワイモバはソフトバンクのサブブランドであり、料金も他よりも高めであるため、スピードが速くて当然だといえる。
正直なところ、私はこの2社を「格安Sim会社」とは思っていない。
格安Sim:mineo (au回線)、BIGLOBE (au回線)は比較的速い
上記の2社を除いて、比較的良い数値を叩き出しているのが「mineo (au回線)と BIGLOBE (au回線)」。
下り(ダウンロード)中央値 (全日)
- mineo → 11.2 Mbps
- BIGLOBE → 9.2 Mbps
格安Simでこれだけのスピードが出ていれば、かなり快適に使えるといえる。両社はドコモ回線も提供しているが、au回線の方がかなり良い数値が出ている。
なぜ2社ともau回線が速いのかと推測すると、おそらく、ドコモ回線よりもau回線ユーザーが大幅に少ないからなのではと思う。
当然ユーザーが少ない方がスピードは出るので、今ならau回線は狙い目なのかもしれない(保証はしません)
それ以外はどんぐりの背比べ
mineoのau回線、BIGLOBEのau回線以外は、どこの会社も似たり寄ったりの通信速度だといえ、どの会社を選んでも大した差はないといえる。
- 楽天モバイル (ドコモ回線)(au回線)
- mineo (ドコモ回線)
- OCN モバイル ONE (ドコモ回線)
- IIJmio (au回線)(ドコモ回線)
- イオンモバイル (au回線) (ドコモ回線)
- LINEモバイル (ドコモ回線)
BIGLOBE (ドコモ回線)は遅いかもしれない
細かい数値 (読むのが面倒な人は飛ばしてください)
下り(ダウンロード)中央値と平均値 (全日)
BIGLOBE (ドコモ回線) → 中央値 1.7Mbps / 平均値 3.9Mbps
この数値は他の格安Sim会社よりも1ランク下がるといえ、BIGLOBEのドコモ回線はあまりオススメできない。BIGLOBEはKDDIグループで、KDDIはauを所有しているので、ドコモ回線が遅いのは変に納得してしまう。
昨年よりも全体的にはスピードは向上
基本的には格安Simの回線スピードはよくなってきている。数値全体を見回すと質は向上してきていると思っています。
ただし、例外もある。例えば、昨年のmineoドコモ回線は下り8.5Mbps (中央値)が出ているけれど、今年は2.8Mbps (中央値)と極端に悪化している。
なので今回の結果が「一時的なもの」なのか「恒常的なもの」なのかはわからない。
まとめ
今回の結果を受けて、UQモバイルやY!モバイルが速いというのは驚きはない。ネットのスピードだけを重視するのであればこの2社を選ぶべきだといえる。
しかし、私はこの2社は「格安Sim会社」とは思っておらず、あくまでauやソフトバンクのサブ・ブランドという立ち位置で、料金プランも他よりも割高だといえる。
この2社を除けば、mineoのau回線とBIGLOBEのau回線は比較的スピードがある。逆にBIGLOBEのドコモ回線は”ちょっと遅い”結果になっている。
これら以外はどこも「どんぐりの背比べ」といえスピードは大きな差があるとはいえない。
確証はないが、私のイメージでは今はau回線が比較的すいているので、”今は速い”かもしれないが、このキャパが埋まってくるとスピードは遅くなるだろうと予測している。
この結果を受けて、私ならBIGLOBEのドコモ回線だけは避けて、自分にあったプランをさがすと思う。
いずれにせよ私は格安Sim推奨者であるので、今後も格安Simをオススメしていきたいと思っている。