「iPhone XR と Pixel 3 の比較レビュー」を行いたい。アップル vs グーグル。この2機種はスマホ界のトップ2であり、ライバル同士だといえる。
もちろん、iPhone XSシリーズ と Pixel 3XL の方が最上位機種であることは百も承知なのだが、私は「XRとPixel 3」しか知らないので、今回はこの2つをいつも通り8つのカテゴリー (カメラ性能・処理能力・バッテリーライフ・ディスプレイ・スピーカー・OS・その他・価格) に分けて比較していきたい。
アイキャッチ画像、記事内画像はApple公式サイト、Googleストア公式サイトよりスクリーンキャプチャ:https://www.apple.com/jp/iphone-xr/
https://store.google.com/jp/product/pixel_3
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単刀直入な結論
iPhone XRもPixel 3も現時点では非常に完成度の高いスマホ同士といえる。
XRは「圧倒的な処理能力、バッテリーライフ、リセールバリュー」でPixel 3よりも優れ、逆にPixel 3は「カメラ性能、急速充電、OLED (有機EL)ディスプレイ、付属品、Googleフォト無制限」でXRに勝っている。
iPhone XRとPixel 3、どちらにも共通するのが、「ソフトとハードが自社で統一」されている点である。iPhoneの場合はそれが至極当然であはあるけれど、アンドロイドの場合は「グーグルが直接製造するPixelシリーズ」のみがこれに該当する。
意外と知られていないが、XRもPixel 3も発売時はそれほど評価が高くなかった。その理由は以下で・・・
iPhone XRはディスプレイの画質がHD+と2018年の基準では「低い解像度」と疑問視されていたけれど、実際にその画面を見てみると「低解像度と疑う余地などないほど美しい画質」である。
Pixel 3は発売当初から「RAMマネジメント問題、マイクの音声問題、OSがスムーズでない」など、例年では考えられないほどの問題を抱えていたけれど、2019年1月時点でのソフトウェア・アップデートにより、これらの問題はすべて解消された。
上記の問題が解消された今、たまたまではあるが、現時点(2019年1月)でこの比較記事を書くのは最も良いタイミングなのではとさえ思っている。
価格面では、両者Simフリー版を販売しており、オススメのモデルは以下である
iPhone XR → 9万8064円 / 128GB (税込)
Pixel 3 → 9万5000円 / 64GB (税込)
なぜ上のモデルをオススメしているのかは価格のカテゴリーで紹介しているが、価格はおおよそ同じである。スマホとしての性能はほぼ互角であることから、購入時でのコストパフォーマンスはあまり変わらない。
しかし、iPhone XRの方がリセールバリューが高くなるだろうと予想しているので、最終的なコスパはiPhone XRに分があるのではと思っている。
それでは8つのカテゴリー:カメラ性能・処理能力・バッテリーライフ・ディスプレイ・スピーカー・OS・その他・価格について詳しく見てまいりましょう。
カメラ性能
まずはいくつか比較動画(英語)を・・・↓の動画はPixel 3XLとの比較ではあるが、Pixel 3と3XLのカメラは全く同じなので気にする必要はない
iPhone XR の特性
メイン・レンズはXSシリーズと同じモノなので、センサーやF値に妥協はない。もちろん、シングル・レンズなのでXSシリーズのような光学2倍ズームレンズがない。
色味は「必ずしも自然な色合いとまでは思わない。若干、彩度が目立ち、まあまあな具合で暖色系」という感じがする。ただ、これは悪い意味ではなく、「良い見栄え」ではあるし、極端に不自然なカラーではない。
スマートHDRの出来栄えは非常によく、ダイナミックレンジに関しては素晴らしい出来だと思う。
ポートレート・モードはメイン・レンズのみの使用 (XSシリーズはメインと望遠を使用)。背景ボケの質は「予想以上」で、多くの人は満足できるハズである。
背景ボケの調節もとても良くできていて、ポートレート・モードの参入が遅かった割には「さすがアップル」という画質といえる。
ただ、ポートレート・モードは人物にしか対応できない (XSはモノにも使える)ので、背景ボケのある写真を重視したいのであれば、XRはオススメしない。
動画に関しては「ステレオ録音」になったことにより音質が非常によくなった。昨年まではモノラル録音であったので、XR、XSはかなりの性能アップといえる。
そして、動画の画質であるが、「4K動画の画質、ダイナミックレンジ良さ、手ぶれ補正 (30FPS、60FPS両方)、音質」すべてが素晴らしいといえる。この辺はA12チップの影響なのかもしれない。
カメラに関しては写真と動画の総合的なバランスを加味すれば「XRは2018年のスマホではトップクラスといえ称賛に値する (もしかしたら10万円以下のスマホであればベスト)」と思う。
Pixel 3 の特性
歴代のPixelはシングル・レンズであり、今回のPixel 3も同様である。そして相変わらず抜群の描写力だと思う。写真に関しては恐らく2018年のスマホでは「ベスト」ではないかと思う。ダイナミックレンジの良さ、自然な色味でありながら程よい彩度は他のスマホよりも頭1つ以上は抜きん出ている。
Pixel 3にはこれまでのPixelシリーズ同様「マニュアル・モードがない」けれど、マニュアルで設定をしなくてもオートで撮るだけで、スマホ・ナンバーワンの写真を作り上げるので大半のユーザーが不満を感じる余地は全くないといえる。
(個人的にはマニュアル・モードでISO感度、シャッタースピード、ホワイトバランスを調節したいけれど・・・私のようなユーザーはマイノリティであると思う。)
トップショットと夜景モードは非常に優秀で、機能としてはなくてはならない存在になりつつある。超解像ズームは「良好」といった具合で、上の2つの機能ほどの驚きはない。しかしながら、シングル・レンズということで、本来ならば望遠面で「劣るところを、なんとか競争力を保っている」というレベルにまでは引き上げている。
「ポートレート」は「人・モノ」両方に対応し「十分にボケ味」を出すことが可能でボケ味のコントロールもできる。
動画は「画質、色味、手ぶれ補正」に関しては2018年のスマホではベストではないかと思う。問題視されていたマイク録音のクオリティーは1月のソフトウェア・アップデートにより大幅に改善し、今は何の問題もない。
動画に関して不満な点は4K60FPSに対応していない点。4Kでスポーツ・シーンなどの動画を撮影したい人でなければ、必要はないかもしれないが、他のアンドロイド・スマホの多くが4K60FPSに対応していることを考えれば、「なぜ?」と思ってしまう。
カメラは「Pixelシリーズ最大の武器」であるため、写真に関してはPixel 3のオート撮影は2018年のスマホではベストだといえる。オートでの撮影は本当に「思ったとおり」撮ってくれるし、「トップショット、夜景モード (Night Sight)」などもとにかく便利で素晴らしい出来栄えといえる。
写真・動画に関して総合的に判断すれば、間違いなくトップクラスの性能といえるので、カメラ性能を重視するのであれば、絶対にPixel 3は外せないスマホといえる。
カメラ まとめ
この2台は2018年のスマホ・カメラの性能としては2大ブランドといえる。正直なところどちらを選んでも「大した差はない」といえ、本当にユーザーの好み次第で選べば良いとしか言いようがない。
色味は
iPhone XR → 暖色系
Pixel 3 → やや寒色系 (XRよりもやや自然な色合い)
ダイナミックレンジはiPhone XR、XSシリーズに導入された「スマートHDR」という機能によりXRの方がダイナミックレンジの幅が広いので日中の日陰になる部分がPixel 3よりも明るく描写してくれる。
動画に関しては、Pixel 3のマイク録音の性能が大幅に改善されたことによりXRとの大きな差はなくなった。しかしそれでもXRは「4K 60FPS、スローモーション フルHD(240FPS)撮影」が可能で、Pixel 3はこれらの機能には対応していない。
動画撮影はPixel 3のマイク性能が改善した後でも、総合的にはiPhone XRの方がパフォーマンスが上なのではと感じる。
逆に写真はPixel 3の方が上だと思っている。普通にオートだけで撮るのであれば、五分五分だと思う。ただ、Pixel 3の方が便利な機能が多い。
それが「トップショット、夜景モード(Nightsight)、ポートレート (人物とモノ)」。トップショットと夜景モードはiPhoneにはない機能で、これらは「本当に便利であり、夜景モードに関しては最早無くてはならない機能」だと断言できる。
ポートレート機能(ソフトウェアでボケ味を出せる機能)はiPhone XRにもあるけれど、XRは「人にしかこの機能を使えない」反面、Pixel 3は「人、モノ、動物」にも使用できる。
写真に関してはPixel 3の方が1ランクは上だと思うが、オートで撮る分にはどちらも「非常に優れた写真」が撮れるので、結局どちらを選んでも変わらないと思う。
写真 → Pixel 3
動画 → iPhone XR
前々から書いているが、写真ならPixel 3、動画ならiPhone XRという構図は今でも変わらない。ただ、Pixel 3のマイク録音の品質が改善したので、動画の品質は以前ほどの差はないと断言できる。
総合的に判断すれば、この2台のカメラ・パフォーマンスはスマホ界随一なので、引き分けとしても良いのだけれど、個人的には、トップショットと夜景モードが思いの外「使用回数が多い」ため、ややPixel 3が上かな?と感じている。
(私はアンドロイド派なので読者の方はこの判断は「若干のバイアス」がかかっているとお思いください。)
処理能力
処理能力 | RAM | チップ |
iPhone XR | 3GB | A12 Bionic |
Pixel 3 | 4GB | スナップドラゴン845 |
Antutuのスコア
iPhone XR → 約34.4万点
Pixel 3 → 約27.0万点
Antutuのスコアを見てもらえればわかるけれど、XRとPixel 3の処理能力にはかなりの差がある。iPhoneのチップは基本的にアンドロイド・スマホよりも1年先を走っており、2018年も同様の結果となっている。
詳しくは書かないが、iPhone XR、XSシリーズに搭載しているA12 Bionicチップは 7 nm(ナノメートル)規格で、これはPixel 3に搭載されているスナップドラゴン 845の 10nm(ナノメートル)よりも1世代先の規格で作られているため、当然A12 Bionicの方が高性能なのである。
Pixel 3は2018年のフラッグシップとしては「最低限のスペック」といえ、「スナップドラゴン845 & 4GB RAM」という構成は 、価格を考えれば「物足りない」とさえも感じる。
しかし、現時点ではPixel 3の操作感やアプリの起動などで問題を感じることはないので、今のところは「サクサク、軽快」に動作している。ただ、このような快適さが長期間たった2年後に保たれているかは不明。
その逆、iPhone XRの場合はソフトもハードもチップも全てアップルが統括しているので長期で使っても将来的に動作が不安定で動作が重くなる可能性は低いと思われる。
XRとPixel 3の処理能力の差は体感ではどちらも快適で、現時点ではどちらにも不満はないけれど、「チップが持っている本来の実力」は雲泥の差で、XRの圧勝といえる。
実際にここまでの性能が必要かどうか不明だが、処理能力ではiPhone XRに軍配があがる。
バッテリー関連
バッテリーライフ
iPhone XR → 2942 mAh
Pixel 3 → 2915 mAh
両者とも、物理的なバッテリー容量としては「大した数値」ではないし、容量も「ほぼ同じ」である。ただ、バッテリーライフは「断然 iPhone XRが優れている」。
XRが余裕で2日もつのに対し、Pixel 3はアベレージ・ユーザーの私でさえも「1.5日がやっと」という感じである。XRの場合、ディスプレイの解像度がHD+とPixel 3のフルHD+にも満たない解像度なのでさらに省電力パフォーマンスにつながっているのだと思われる。
そもそもアンドロイドの方が電力消費が多いので、物理的な容量がほぼ同じの時点でiPhone XRのバッテリーライフが良くなるのは当然ではある。
充電スピード
iPhone XR → 5W(ワット)
Pixel 3 → 18W(ワット)
まず、XRに付属している充電器は5Wという「超低速充電」である。2018年のスマホとしては信じられないくらい遅いスピードで充電が行われる。一応、当然ではあるがXRは急速充電に対応している。ただ、その急速充電を行うには「急速充電ができる充電器 + それに対応したケーブル」を買わなくてはならない (半分、悪徳商売である)。
Pixel 3には付属の充電器で18W出力あるため、何も買わずに急速充電を利用できる。ちなみにこれは「アンドロイドでは当然」であり、アップルの方針が異常なだけである。
充電スピードはPixel 3の方が倍近く早い。たいていは1時間10分くらいで90%以上は充電できる。XRは3時間ほど経たないと90%以上になっていない。
バッテリー関連 まとめ
アップルが充電器をケチっているせいで、iPhone XRの充電スピードは最低である。逆にPixel 3は付属の充電器が急速充電に対応しているので1時間で80%以上は充電される。充電に関してはPixel 3が有利。
ただ、バッテリーのもちはiPhone XRの圧勝で、私のようなアベレージ・ユーザーであれば2日は余裕で使用できるだろう。Pixel 3は1.5日が限界と思う。
総合的に判断すれば、バッテリーライフのもちの方が重要なのでXRにはバッテリー関連では軍配が上がるが、アップルはこの5Wの付属の充電器はなんとかするべきだろう。
ディスプレイ
iPhone XR → 6.1 インチ LCD HD+
Pixel 3 → 5.5 インチ OLED フルHD+
まずiPhone XRは解像度がHD+しかないことから結構批判されていたけれど、実際にそのディスプレイを見てみるとわかるが、非常に高品質なLCDディスプレイなので、ディスプレイにかなりの拘(こだわ)りを持っていなければ全く不満を感じることはないだろう。
Pixel 3 はOLED(有機EL)なので、XRのLCDパネルよりも製造コストが高く、OLED特有の「鮮やかさと黒の濃淡」はLCDでは出せないパフォーマンスである。HDR(ハイダイナミックレンジ)にも対応しており、そうでないXRに比べるとディスプレイの性能は総合的に上である。
スクリーン対ボディ比
iPhone XR → 79.0%
Pixel 3 → 77.2%
両者にとって不満なのはスクリーン対ボディ比。
数値上はXRの方が良いけれど、XRはXRでベゼルが上下と横が全体的に太いと感ぜずにはいられない。Pixel 3もフロント・ステレオ・スピーカーを採用しているため、上下のベゼルが太い。
2018年の基準で考えると70%台というのはあまり良い数値とはいえない。
ディスプレイ まとめ
画質に関しては実用ではXR、Pixel 3、どちらも満足して使うことができると思うが。ベゼルに関してはどっちもどっちという感じなのである。XRのディスプレイも画質は良いが、Pixel 3がOLEDで発色や黒の濃淡、そしてHDRにも対応していることを加味するとPixel 3の方がディスプレイでは上だと思う。
スピーカー
XRもPixel 3もステレオ・スピーカーを採用。
XRはXSシリーズと同じスピーカーを載せているので、「最高クラスの品質」といえる。とりわけXSシリーズとXRのスピーカーは非常に高音質だと思う。
Pixel 3もXRと遜色はないと思う。スピーカー自体はもしかするとXRの方が良いように感じるけれど、動画視聴に関してはPixel 3がフロント・スピーカーを採用しているためこちらの方が「聴き心地は良い」。
スピーカーに関してはどちらも非常に素晴らしい出来で、おそらく2018年のスマホの中ではトップ2なのでは?と感じており、ドローとしたい。
OS
iOS
OSについては「OSアップデートの長さとセキュリティの高さ、そしてアプリとの相性」に関してはiPhoneの右にでるものはいない。OSのアップデートの長さはアンドロイドのそれとは比べ物にならないし、セキュリティの更新も非常に早い。
アンドロイドのOSアップデートが2〜3年ほどで終わってしまうのに対し、iPhoneは5年近くもアップデートが続く。現時点で最新のiOS12にはiPhone 5S (2013)も含まれている。こんなことはアンドロイドではあり得ない。
アプリもアンドロイドに比べて非常に安定していることは認めざるを得ない。もちろん、アンドロイドもここ数年はほとんど問題ないけれど、iPhoneの安定度はアンドロイドよりも優れている。
純アンドロイド (素のアンドロイド)
OSに関してはグーグルが統括しているので、アンドロイド・スマホでPixelシリーズの右に出る者がいないのは当然ではある。
OSのアップデートは「いの一番」に提供され、セキュリティ・パッチもまずPixelシリーズが優先される。
最新のアンドロイド・パイ (9.0)に関しては当初は若干の不満があった。パイになり、iPhone XやXS・XRのようなジェスチャー式になったため、「不具合」が多かった。
こういった問題が最近のアップデートでかなり改善されてきており、非常にスムーズになってきた。
OS まとめ
OSに関してはどちらも「ハードとソフトが1つの会社で統一」されているので、「好みの問題」としかいいようがない。
iOSはiOSで良いところがあり、純アンドロイドのPixelシリーズはPixelの良さがある。
ただ、完成度とアプリの相性に関してはやはり「iOSの方が上」である。スムーズさや軽快さ、アプリの安定度ではさすがのPixel 3でもXRには敵わないと思うので、OSではiPhone XRの勝ちとしたい。
さはさりながら、私はアンドロイド派である。その理由は「ホーム画面に自由にアプリを配置できる点と、戻るボタンが下部にある点、アプリ・ドロワーがある点」で、これらに慣れてしまうとiOSが使いづらいと感じる。
特にiOS特有の「ホーム画面に自由にアプリを配置できない」のは非常に使いづらい。私はアンドロイドに慣れたこともあり使用頻度の高いアプリであればあるほど「ホーム画面の下部に置きたい」傾向が強い。
その他、細かい点
イヤホンジャック、micro SD、ワイヤレス充電、防塵防水 IP68
4機能 | XR | Pixel 3 |
イヤホン | X | X |
micro SD | X | X |
ワイヤレス充電 | ○ | ○ |
IP規格 | IP67 | IP68 |
この4点に関しては今まで散々書いてきたため、今後はこの表だけをお見せしようと思います。基本的にXRもPixel 3も同じですね。
Apple Pay & Google Pay
Apple Pay → iD、QUICPay、Suica
Google Pay → Suica、楽天Edy、nanaco、WAON、QUICPay
どちらも機能は似たようなものなので、違いはないが対応している電子マネーが違う。意外かもしれないが、Google Payのほうが対応数は多い。まあどちらも便利だろうと予想・・・
実は私はApple PayやGoogle Payが便利なのは百も承知なのだが、未だに使ったことがない。いつも電子マネーのカードやクレジットカードで支払うため、未だに自分のライフスタイルに導入していないの原因。
Pixel 3 → Google フォト 無制限、アクティブ・エッジ
意外と見過ごされる機能の1つだが、このGoogle フォト無制限 (2022年1月31日まで)という特典は非常に優れた機能。しかも、画質は元のままである。
将来スマホを替えても、Pixel 3を使用していたときに保存した画像や動画にはいつでもアクセスでき、かつ画質は無制限利用期間が終了後も変わらない。
アクティブ・エッジに関しては使う人とそうでない人で意見が分かれるだろうが、「意外と便利」だと思っている。頻繁に使うわけではないけれど、ぎゅっと握って「グーグルアシスタントを起動」することは思いの外便利だと思う。
iPhone XR → 5W(ワット)出力充電器、イヤホン・アダプターなし
これらは非常に残念な点である。まず、バッテリーライフのところでも書いたが5W出力の充電スピードは遅すぎる。
この他、イヤホン・アダプターが付属しない。3.5mmイヤホン・ジャックを廃止してからしばらく経つけれど、意外と有線イヤホンを使用している人はまだまだ多くいる。9万円以上するiPhone XRの価格を払って、人によっては更に1080円(税込)を支払ってアダプターを追加購入するなんて馬鹿げているとしか思えない。
価格 (コストパフォーマンス)
Simフリー 価格 (公式:税込)
モデル | XR | Pixel 3 |
64 GB | 9万1584円 | 9万5000円 |
128 GB | 9万8064円 | 10万7000円 |
256 GB | 10万9944円 | なし |
オススメ容量:XR → 128GB、Pixel 3 → 64GB
iPhone XRは64GBモデルよりも128GBを断然オススメする。64GBだと若干容量が物足りない。ライト・ユーザーなら64GBでも大丈夫だと思うけれど、アベレージ・ユーザー以上はやはり128GBモデルのほうが容量としては安心だと思う。
XRの場合、64GBと128GBの価格差は約6500円。この6500円は絶対にケチらない方が良いと思う。
Pixel 3に関しては64GBでも問題がないと思う。その理由の1つは「Google フォト 無制限」の特典でこれがあるため、写真・動画は全てGoogleフォト上で管理すれば、スマホの容量を圧迫せずに済む。
もうひとつの理由は、「プリインアプリが最小限」に抑えられており、他のアンドロイド・スマホと比べ圧倒的に無駄なアプリが少ない。そのため初期状態の容量の空きが比較的多い。なのでアベレージ・ユーザーでも64GBで問題はないだろうと思う。
iPhone XR → リセールバリューが高い
これはアンドロイド・スマホとは大きく違う。アップル製品全般にいえることだが、iPhoneは旧モデルや中古価格でも「そこそこの値段がつく」。単純に「中古でもiPhoneが欲しい人は多い」ということの裏返しだけれど、こういったことはアンドロイドでは起こりにくい。
逆にアンドロイド・スマホは基本的にリセールバリューが下落しやすい。現時点ではXRとPixel 3の価格はおおよそ同じであるが、これらを2年後に売るとなったときは間違いなくiPhone XRの方が高く売れる。
価格 まとめ
iPhone XR → 9万8064円 / 128GB (税込)
Pixel 3 → 9万5000円 / 64GB (税込)
オススメのモデルを比較すると価格差は約3000円。XRの方が若干高いけれど、3000円程度であれば価格帯はほぼ同じだといえる。
個人的にはXRの方がコストパフォーマンスは上だと思う。もちろん大きく差をあけてXRがPixel 3よりも価格面で優れているとは言わないが、若干ではあるがPixel 3は高すぎると思う。
その他、iPhoneのリセールバリューの高さはアンドロイド・スマホにはない魅力でもある。Pixel 3がグーグル製品ということで他のアンドロイド・スマホよりはリセールバリューが高くなるのではと予想しているけれど、それでもiPhone XRほどのリセールバリューを維持できるとは考えづらい。
なので、総合的に判断すればiPhone XRの方が価格面では分があるのではと思う。
まとめ
カテゴリー | iPhone XR | Pixel 3 |
カメラ | ○ | |
処理能力 | ◎ | |
バッテリー | ○ | |
ディスプレイ | ○ | |
スピーカー | 引き分け | |
OS | ○ | |
その他 | ○ | |
価格 (コスパ) | ○ |
iPhoneシリーズとPixelシリーズはスマホ界の横綱同士の争いのようにも感じる。お互い「非常に高いレベルで競っている」ため、甲乙つけがたいというのが本音である。
iPhone XRがPixel 3よりも大きく優れている点は「処理能力」でこれに関してはPixel 3は完敗だといえる。
バッテリーに関しては「バッテリーの持ち時間はXRがPixelより断然上」であるが、「付属の充電器のスピード」ではXRは「5W(ワット)出力という超低速充電」なので、これは最低の評価をつけたい。これに対しPixel 3は「18Wの急速充電」である。
価格に関して、オススメの容量は
iPhone XR → 9万8064円 / 128GB (税込)
Pixel 3 → 9万5000円 / 64GB (税込)
とスマホ自体の価格はおおよそ同等といえるが、リセールバリューの高いXRの方が最終的なコストパフォーマンスは上である。
カメラ性能はどちらも非常にパフォーマンスのレベルが高く、どちらも業界トップクラスといえるが、個人的にはPixel 3の方が上だと感じている。その他、Pixel 3はディスプレイはOLEDを採用しているし、スピーカーもフロントについているため動画視聴は充実している。
さて、この2機種を比べて、私がオススメするのは「iPhone XR」である。個人的には私は「アンドロイド派」であるため、Pixel 3を使いたいけれど、「一般的にはXR」の方を選んだほうが「賢い選択」だと思う。
特に、XRは処理能力の高さはPixel 3よりも1年以上先を行っているし、充電スピードに問題はあるけれど、バッテリーライフの長さはPixel 3よりも抜群に良い。あと、リセールバリューもおそらく高く維持されるであろうことから、Pixel 3と同価格帯であるならば、XRを購入した方がお得な判断といえる。
私のように純アンドロイドOSが好きな層や、カメラ性能に拘(こだわ)る人、OLED(有機EL)ディスプレイ派の人であるのなら、Pixel 3は間違いなくアンドロイド・スマホの中ではベストなオプションの1つだといえる。
私がオススメしているシュピゲン・ケース (アマゾン価格)
iPhone XR → 約1900円
Pixel 3 → 約1500円
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