「ファーウェイ Mate10 Pro」と「サムスン ギャラクシー Note8」の比較を行いたい。この2機種は昨年(2017)の秋に発売されているので、もうすでにそこそこ時間が経っているけれど、もし現時点(9月上旬)で購入を検討しているのであれば、参考にしてもらいたい。
いつも通り、8つのカテゴリー (カメラ性能・処理能力・バッテリーライフ・ディスプレイ・スピーカー・OS・その他・価格) に分けて詳しく比較していきたい。
各レビューはこちら
各「長期」レビューはこちら
単刀直入な結論
Mate10 Proは「良い点と悪い点がハッキリするスマホ」である。
バッテリーライフは4000mAhという大容量で、2018年でも他のフラッグシップよりも優れたパフォーマンスを発揮する。カメラ性能(写真)、ディスプレイ、スクリーン対ボディ比80.9%、スピーカーは「上々の性能」で十分満足できる。
ただ、「イヤホン・ジャック、micro SD、ワイヤレス充電」はすべて非対応と細かい点ではかなり融通が利かない。
Note 8はMate10 Proとは対照的に「欠点の少ないスマホ」といえる。
性能面ではMate10 Proの「バッテリーとスピーカー」には叶わないものの、カメラ性能では安定してMate10 Proを上回っており、特に動画ではNote 8の方が数段上のクォリティーを提供している。
そしてNote 8には「Sペン」という唯一無二の存在があり、Sペンに特化した便利な機能は何もにも代えがたい。
ディスプレイやベゼルレス化(スクリーン対ボディ比:83.2%)も2018年のフラッグシップと比較してもそのクォリティーはトップクラス。
細かい点でも「イヤホンジャック、防塵防水IP68、micro SD、ワイヤレス充電」これら全てに対応している。
不満な点は「指紋認証の位置」と「バッテリーのもちがイマイチ」な点で、この辺はMate10 Proには大きく劣る。
価格について:
両者は日本のキャリアで買える (Mate 10 Pro → ソフトバンク、Simフリー版)(Note 8 → ドコモとau)。スマホ単体の価値をシンプルに比較したいので今回もSimフリー版の価格で比較したい。なので、Note 8は個人輸入の価格で比較したい。
Mate10 Pro → 5万6980円 (じゃんぱら 未使用品)
Note 8 → 6万8600円 (個人輸入 イートレン)
価格差は約1万1500円。正直なところ、私の感覚では現時点ではどちらもコスパはほぼ互角だと思う。(ちなみに、この拮抗したコスパが私の”まとめ”での結論を苦しめるのである・・・)
それでは8つのカテゴリー:カメラ性能・処理能力・バッテリーライフ・ディスプレイ・スピーカー・OS・その他・価格について詳しく見てまいりましょう。
カメラ性能
まずは比較動画を
Mate10 Pro の特性
色味や表現は「ファーウェイ特有」といえ、「彩度とシャープが強め」にでる。自然な色味というよりも、ヴィヴィッドな色調。
日中の写真は必要十分なクォリティーではあるけれど、逆光などの悪条件の場合、ハイダイナミックレンジにやや難がある。
しかし、夜景や暗所での撮影は非常によく、ノイズが少なく、シャープな画作りは高評価。マニュアル操作ができるPro Modeは使いやすく、白黒レンズを使ったモノクローム写真も玄人好みだと思う。
しかし、動画の性能はイマイチで、4K30FPSの動画は手ぶれ補正が効いておらず使い物にならない。AIも「ハマれば」良い結果になるが、変に色味が強調される場合が多く、私はまだまだ改善が必要だと思っている。
Note 8の特性
Note 8やS8あたりからサムスンの色彩表現が自然な色合いに変わってきた。Note 8は若干まだ彩度が目立つけれど、かつてのサムスンに見られた「彩度の強い、若干不自然な表現」がなくなってきた。
動画に関してはフルHDの30FPS、60FPSでは手ぶれ補正も十分に効いている。4K30FPSの動画はさすがにチップの処理能力にも限界があるのか「こんにゃく現象」も多くみられるけれど、全く使えないレベルではない。スロモは240FPSをHD画質で録画できる。
光学2倍のズームのサブレンズはOISもついているため、望遠にも強い。ハイダイナミックレンジの幅も広く、安定して総合力の高いカメラ・パフォーマンスを発揮している。
カメラ まとめ
総合的に判断してカメラはNote 8の方がパフォーマンスは上だと思う。写真でも動画でも安定してMate10 Proよりも良いクォリティーを約束してれるし、ハイダイナミックレンジもNote 8の方が良い。
ただ、暗所や夜景になると、Mate10 Proが良い働きをみせるという点は付け加えておきたい。ただ、Mate10 Proは「ノイズを軽減するために、少し暗めの表現」でもあるため、あなたがどちらの表現を好むのかは注意して見比べた方が良い。
カメラに関しては総合力で上回るNote 8に軍配をあげたい。
【Spigen】 スマホケース Huawei Mate10 Pro ケース 対応 TPU 耐衝撃 米軍MIL規格取得 ラギッド・アーマー L19CS22665 (ブラック)
処理能力
機種 | RAM | チップ |
Mate10 Pro | 6GB | Kirin 970 |
Note 8 | 6GB | スナップドラゴン835 (海外版 Exynos8895) |
*Note 8:日本版はスナップドラゴン835、海外版はExynos8895 性能はほぼ同等
Antutuのスコア
Mate10 Pro → 20万9930点
Note 8 → 20万3355点
GeekBench (4.1)のスコア
GeekBench | Mate10 Pro | Note 8 |
シングル | 1902 | 1862 |
マルチ | 6783 | 6590 |
GSMArena参照:Mate10 Pro / Note 8
処理能力 まとめ
Mate10 ProもNote 8 も処理能力はほぼ互角といえる。数値上はMate 10 Proの方が僅かに上ではあるけれど、どちらを使用してもその違いは体感ではわからないと思う。
どちらも3Dゲームをするには十分な処理能力があり、2017年のスマホとしては最高クラスの処理能力なので、ここは引き分けとしたい。
バッテリーライフ
Mate10 → 4000 mAh (6.0インチ 解像度:フルHD+)
Note 8 → 3300 mAh (6.3インチ 解像度:QHD+)
順位 | メーカー | 時間 |
1位 | Mate10 Pro | 6時間30分 |
2位 | OnePlus 5T | 6時間02分 |
3位 | サムスン S8 | 5時間22分 |
4位 | Pixel 2XL | 5時間19分 |
5位 | iPhone X | 5時間14分 |
最下位 | Note 8 | 4時間58分 |
バッテリーライフ まとめ
バッテリー・ドレイン・テストは特殊な使い方なので、バッテリーライフを測る指標の1つ過ぎないけれど、個人的にはMate10 ProのバッテリーライフはNote 8よりも遥かに良い。
上の動画の結果はちょっとNote8としては印象の悪いイメージがついてしまうかもしれない。
Note 8のバッテリーは長く使えば使うほど「良くて普通」悪く言えば「物足りない」と感じている。ただ、ワイヤレス充電には対応しているので、その点はプラスではある。
ディスプレイ
Mate10 Pro → 6.0インチ 解像度:フルHD+ (スクリーン対ボディ比 80.9%)
Note 8 → 6.3インチ 解像度:QHD+ (スクリーン対ボディ比 83.2%)
Mate10 ProもNote 8もディスプレイはAMOLED(有機EL)。ただ、製造メーカーが違っており、Mate10 ProはBOEという中国のメーカー。BOEは世界屈指の液晶パネル・メーカー。Note 8のディスプレイはもちろんサムスン製。
Mate10 Proの解像度はフルHD+とNote 8のQHD+よりも劣るけれど、私はMate10 Proのディスプレイでも十分に満足できる品質だと思っている。
Note 8の品質は世界一だと思うけれど、QHD+(2K+)もの解像度は日常でそれほど必要ではないというのが、私の考えではある。そもそもデフォルトではフルHD+なので、それで問題がなければ解像度は変えなくて良いし、フルHDであればバッテリーのもちも良くなる。
両方HDR10にも対応しているので、動画コンテンツを高画質で楽しめる。
どちらもスクリーン対ボディ比の数値は良好で、「Mate10 Pro → 80.9%、Note 8 → 83.2%」なので誰も不満には思わないだろう。
ディスプレイ まとめ
どちらもディスプレイの品質は必要十分以上だといえ、ディスプレイで不満になることはない。ただ、スペックでいえば、Note 8の方が性能は上なので、Note 8の勝ちではあるけれど、私はMate10 Proのディスプレイでも満足できる。