「OnePlus 6」 と 「Honor 10」、両者はコストパフォーマンスに秀でたスマホとして地位を確立している。2機種を8つのカテゴリー(カメラ性能・処理能力・バッテリーライフ・ディスプレイ・スピーカー・OS・その他・価格)にわけて比較していきましょう。
アイキャッチ画像と記事内の画像はOnePlus公式サイト、Honorグローバル公式サイトよりスクリーンキャプチャ:
https://www.oneplus.com/global
https://www.hihonor.com/global/products/smartphone/honor10/
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単刀直入な結論
OnePlusのスマホは毎年価格が上がりまくっているけれど、それでもOnePlus 6(以後:OP6)の価格は性能とのバランスを考えれば、依然としてコスパは高い機種だといえる。
「価格・処理能力・OS・バッテリーライフ・急速充電・ベゼルレス化 (83.8% スクリーン対ボディ比)・イヤホンジャック」OnePlusが力を入れている点はとても優れたパフォーマンスを発揮してくれる。
逆に、力を入れていない点「モノラル・スピーカー、防塵防水のIP規格には非対応、ワイヤレス充電不可、micro SDカードも不可」は明確で、細かい点には“疎(うと)い”傾向がある。
良い点と悪い点との構図が非常にわかりやすい。
Honor10はOP6のように“飛び抜けた性能”があるわけではないのだが、価格と総合的な性能のバランスは良好といえる。
5.1万円でHuaweiとしては現時点では最高の処理能力(4/6GB RAM + Kirin 970)、そこそこのカメラ性能、そこそこのバッテリーライフ、そして最新のOS8.1。
特に何かがすごいわけではないが、「オールB」のような成績のスマホといえ、デザイン性も良く、コンパクトで片手で操作しやすい。これを5.1万円で提供しているのは特筆すべき点だといえる。
しかし、残念な点として、4K動画のクオリティーは全くダメ。細かい点はOP6同様に「防塵防水には非対応、micro SD不可、ワイヤレス充電不可 」といった具合である。
個人輸入の価格
OP6 → 6万7153円 (イートレン)
Honor10 → 5万1005円 (イートレン)
価格に関しては、この2機種はライバル的な位置づけではあるが、実はOnePlus 6の方が約1.6万円ほど高いのでOP6の方がワンランク上の価格帯といえる。
つまり、1.6万円の価格差を払ってまでHonor10からOP6にアップグレードする価値はあるのか?というのが焦点になるけれど、総合的なパフォーマンスを比較すれば、私はOP6を買う価値はあると思っている。
それでは、8つのカテゴリー:カメラ性能・処理能力・バッテリーライフ・ディスプレイ・スピーカー・OS・その他・価格について詳しく見てまいりましょう。
OnePlus 6 & 価格 (アメリカ)
チップ | スナップドラゴン845 |
RAM | 6/8 GB |
容量 | 64GB/128GB/256GB |
画面 | AMOLED 6.28インチ 解像度: フルHD+ 2280 x 1080 (402ppi) 19:9 (アスペクト比) 83.8% (スクリーン対ボディ比) |
カメラ | 背面:メイン 1600万画素 F1.7 光学式手ぶれ補正(OIS) 電子式手ぶれ補正(EIS) サブ 2000万画素 F1.7 インカメラ:1600万画素 F2.0 |
バッテリー | 3300 mAh |
OS | オレオ8.1 |
その他 | イヤホン・ジャック 防水防塵 IP規格非対応 ワイヤレス充電非対応 |
価格 | 公式価格 USドル RAM6GB/64GB → $529 (¥5万8千) RAM8GB/128GB → $579 (¥6万3.3千) RAM8GB/256GB → $629 (¥6万9千) |
主なスペック & 中国での価格
チップ | Kirin 970 |
RAM | 4 / 6 GB |
容量 | 64GB / 128GB |
画面 | 5.84インチ IPS LCD 解像度 フルHD+ 1080 x 2280 (432ppi) アスペクト比 (19:9) 79.9% (スクリーン対ボディ比) |
カメラ | 背面:1600万画素 (カラー・センサー) F1.8 2400万画素 (白黒・センサー) F1.8 インカメラ:2400万画素 F2.0 |
バッテリー | 3400 mAh |
OS | EMUI 8.1 (オレオ8.1) |
その他 | イヤホン・ジャック 有り USB-C 指紋認証 (前面) NFC |
価格(個人輸入) | RAM 4GB版 約5.2万 RAM 6GB版 約5.7万 |
カメラ比較
いつも通り比較動画をどうぞ。
OnePlus 6 の特性
暗所とダイナミックレンジが改善がされたことにより、総合的なパフォーマンスは向上。
OP6は比較的、彩度が強調される方ではあるが、今回の比較対象であるHonor10はOP6以上に彩度が強いため、それと比べるとOP6は自然な色味ではある。
動画は4K60FPS、フルHD60FPS、ともに手ぶれ補正があまり効かない。しかし、4K30FPS、フルHD30FPSの動画になると信じられないくらい手ぶれ補正が効く。これは電子式手ぶれ補正(EIS)によるもので、OnePlusのEISの性能は非常に優れている。
スローモーション撮影は流行りの960FPSには対応していない。しかし、240FPSのフルHD動画や480FPSの720P動画を撮影できる。
OP6の欠点はオートフォーカスが迷うという点とサブレンズを有効に活用できていない点といえる。フォーカスしたい被写体をタップするとピントはすぐに合うときもあるが、「なかなか合わない」ときもあるのがめんどくさい。
Honor 10 の特性
Huaweiのスマホ全般に言えることだが、Honor10のカメラパフォーマンスは彩度が強調され、シャープも強めに出る傾向がある。
昨年からHuaweiはAIの技術を宣伝しており、カメラ撮影時にAIが被写体や撮影条件を“理解”し、状況に合わせて最適な設定で写真や動画を撮る。
ただ、現状はまだまだAIには改善が必要で、不自然に色を強調しすぎたり、写真を加工しすぎたりする傾向があり、AIがバッチリとハマり良い画作りにならないことが多い。
暗所と夜景に関しては「あまり良い出来ではない」。同時期に発表されたP20やP20 Proと比べるとその差は歴然で、Honor10はP20シリーズのような暗所での強みはない。
動画は4Kは手ぶれ補正が全く効かず使えない。フルHD動画30FPSはEISが効くようになりようやく“まともな”動画が撮れるようにはなった。
カメラ まとめ
OP6の方が1ランク、2ランク上のパフォーマンスだと思う。OP6でも少し彩度の強い画作りといわれるが、Honor10に比べるとかなり自然な色合いに近いと思えるほど。
動画でも圧倒的にOP6の方が手ぶれ補正が効いており、Honor10とは比べもにならないといえる。
時よりHonor10の方が良い結果を出すときもあるのだけれど、OP6の方が写真・動画のパフォーマンスは安定して優れていると思う。
処理能力
機種 | RAM | チップ |
OP6 | 6GB (8GB) |
スナップドラゴン845 |
Honor10 | 4GB (6GB) |
Kirin 970 |
*OP6のRAMは、64GB版→6GB、128/256GB版は8GB
*Honor10はRAMが4GB版と6GB版がある
Antutuのスコア
OP6 → 28.4万点
Honor10 → 20.3万点
OP6のランクは上位モデル(RAM 8GB)の結果なので、私がこの記事で対象としいる最安の下位モデル(RAM 6GB)だとこれよりも少し数値は下がる。
OP6のスナップドラゴン845は2018年のフラッグシップ向けのチップ、Honor 10のKirin970は2017年後半に導入されたフラッグシップ向けのチップ。
総合力でいえば、スナップドラゴン845の方がどうしても優れている。普段の使用ではどちらのチップでも遜色なくスムーズに使えるが、4K撮影など大きな処理が必要な場合、Kirin970の方が苦しくなる。
長期的(2年くらい)に考えればチップは最新版に越したことはないのでOP6の方が処理能力では有利。
バッテリーライフ
OP6 → 3300 mAh (6.28インチ 解像度:フルHD+)
Honor10 → 3400 mAh (5.84インチ 解像度:フルHD+)
バッテリー・ドレイン・テストの比較動画をどうぞ。
OP6 → 8時間38分
Honor10 → 6時間22分
Honor10の方が5.84インチ3400mAhとバッテリーライフは有利に見えるが、ドレイン・テストのパフォーマンスはOP6がHonor10を随分上回っている。
急速充電はOP6、Honor10、どちらも超優秀
OnePlus、Huawei、どちらも急速充電に力を入れており、そのスピードは折り紙付き。充電のスピードで遅く感じることはまずあり得ないといえる。
バッテリー まとめ
OP6の方が実用面でもHonor10よりも優れているのでバッテリーライフはOP6に軍配。
ただ、Honor10を擁護すると、アベレージ・ユーザーならHonor10でも十分に1日〜1日半は電池はもつとだけは書いておきたい。
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